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太陽と月  作者: 高槻博
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物事は全てタッチの差で、1つ1つの行動で未来とは変わりうることを俺は認識した。

体育祭の次の日なのにも関わらず、いつもと変わらない時間から練習が始まることに関して多少の苛立ちを覚えながらも、これも強豪校の定めかと自分自身を慰め、練習に勤しむことにした。朝っぱらから雨が降っていたこともあり、室内練習での結構だという連絡が入った。天気予報を見ても1日中雨ということだった。どうせ練習するならグラウンドで練習したいという気持ちはあったが天気ばっかりは俺の力ではどうしようもない。下がり切っている俺自身の気持ちを鼓舞し、学校に向かった。


学校に向かうと、最初はミーティングから始めるから各自筆記用具を持って集合と告げられた。

生憎俺は筆記用具を常備していなかったので教室に取りに行った。しかしそこには驚くべき光景が広がっていた。


「は?」


「ん?」


俺は独り言は承知の上で言葉を呟いた。


「いやいや、おかしいだろ。」


「うん。おかしいよな。」


何度も言うがこれは独り言だとわかっている。

それくらい俺は驚いた。

だって教室には溢れんばかりの誹謗中傷が書かれた貼り紙が教室じゅうに貼られているんだから。

とりあえず俺は教室じゅうに貼られていた貼り紙を全て剥がした。ミーティングには遅れる頃もわかっていたが、俺はこれを処理することの方が重要だと悟った。全てを剥がし終え、ミーティングに向かうと既に終わっており、俺はこっぴどく怒られたが、致し方なしと受け入れた。もちろんこのことを先生に報告すると言うてもあったが、まずは自分自身で問題に向き合ってみようと考えた。急いで剥がしたもんだから内容はよく見ていなかったが、大体の内容は日向と夜科に対する誹謗中傷だった。その2人に対する悪意があることは十分わかったので部活動が終わった後に雫の家に行くことにしてみた。そんな邪念を抱きながら練習に取り組んでいると何故だかお忍びで登校してきている夜科を見かけた。もちろん練習中なので声をかけることも目を合わせることもしなかったが、朝一で誹謗中傷の紙を剥がしまくったことで最悪の事態を避けられたことを安堵した。


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