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太陽と月  作者: 高槻博
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雨はしとしと、私の心もしとしと。

昨日は体育祭だったということもあり、平日だったが1日の振替休日が設けられていた。

昨日の打ち上げでは始めのうちは太陽くんのことが心配で心配で気が気じゃなかったけれど、なんだかんだで馴染んでいる太陽くんの姿を見て私も楽しんでしまった。外を見ると生憎の雨模様だったが、私は制服に着替えていた。

なんで休みの日に制服かって?それは学校に、私たちの教室に気がかりなことがあったからだ。私は昔から人を疑うということができなかった。できなかったというよりしたくなかったからしなかった。それは相手のことを思ってとかじゃなくて、誰かを疑っても自分が気持ちの良くないことをなんとなく理解していたからだ。そんな私の気がかりなことはというと恩田くんのことについてだ。彼は昨日、私を執拗に脅してきた。内容は私と太陽くんに関することだった。それを聞いた時点で恩田くんが太陽くんに変に絡んでいたことは私の中で確信に変わった。ノートのことだったりをクラスのみんなに言いふらすと言っていた。私は言いふらされようと、何されようとへっちゃらだ。それは間違えようのない事実だ。だけど太陽くんはどうだろう。私との関係が言いふらされることをよくは思わないだろう。最悪また元の状態に戻ってしまうかもしれないとさえ思った。そんな小さなことさえも太陽くんのことを信じられない私自身に嫌気が差す。結局なぜ私が休日に制服に着替えて学校に向かっているかというと恩田くんが何か嫌な策を講じていないかを確かめるためだ。


私は制服に着替えたのち、すぐ家を出た。学校まで歩いてる途中であることに気づいた。朝ごはんを食べていないことだ。朝ごはんは私の生活においてのスタートだ。その私が朝ごはんを食べ忘れるくらいだ、私が思っている以上に私自身このことに悩んでいるんだと感じた。1つ自分の異変に気づいたものだから他に自分の異変がないかと身支度を確かめたら、パパの傘を指していることにも気づいた。先ほども言ったけど私自身この件に関して悩んでいるんだと感じた。パパには私の可愛い傘で会社に赴いてもらおう。ごめんパパ。


学校につき、校舎に入ると野球部やサッカー部が校舎内で筋トレを行なっていた。帰宅部である私が校舎にいるのが先生に見つかると捕まりそうで面倒だったので、少し足早に歩いたが、私はふとサッカー部に目をやった。なぜなら恩田くんはサッカー部だからだ。遠目で彼のことを探してみたけど彼の姿を見つけることはできなかった。通りすがりの同級生マネージャーに恩田くんについて聞くと今日は体調不良で休みと言うことだった。マネージャーに礼を言い、ついでに野球部に目をやると必死に練習をしていた。八雲くんも見つけたが、声をかけられるような雰囲気じゃなかったので、心のなかで叱咤しその場から去った。


それから私は一応教室を覗いて何も異変がないことを確認したけど、恩田くんが体調不良で休みということが気が気でなかった。もちろんそれは、彼を心配しているとかそういうことではなく、彼の体調不良が虚偽で何か大きなことを起こそうとしていることの前触れのような気がしてならなかったからだ。

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