飼い主の雨宮さんと飼われ主の彼女
僕らは夜の10時には家に帰れるように打ち上げを切り上げ、解散していた。一応進学校という名を掲げるだけあって、根は真面目な生徒が多く、寄り道をする生徒はほとんどいなさそうだ。
「太陽くんーー!打ち上げ楽しかった!?どうだったーー!?二次会にカラオケいっちゃう?!」
明らかにハメを外している彼女によって、数秒前に考えていた自分の思考は瞬殺された。そして僕はそんな彼女を見て、大きなため息をついた。
「なんだそのため息は!運気が逃げてくよ!!疲れちゃったのかー!」
たしかに、今日はたいして動いてもいないのに身体中に疲労が溜まってるのを感じたが、先ほどの大きなため息はそれによるものではない。
「いや、君を見ていて、打ち上げだったりそういう時にハメを外しすぎてやらかしちゃいそうだなと思ったら自然とため息が出てきただけだよ。」
「それは心配いらんよ!!なぜならー!」
彼女が大きな声を上げて話続けると雨宮さんが彼女の後ろに現れ、耳がもげそうなくらい引っ張っていた。
「騒ぎすぎ。ご近所の迷惑を考えなよ。恥ずかしい。」
注意されながらも得意げな彼女の顔を見て、ハメを外し過ぎてしまいそうな時は雨宮さんが止めてくれるから大丈夫だと思っていることが感じとれた。しかし、なぜ彼女が得意げな顔をできるかは疑問であった。
「心配だったけどなんだかんだ馴染めてたようで何よりだね。」
彼女を黙らせている雨宮さんが僕に言ってきた。
「どうやら派手に転んだことが良かったみたいだね。話題性は十分だったよ。」
「どうやら女の子にもモテモテだったし、日向くんにもモテ期到来かなー?」
「僕はモテ期なんてきたって嬉しくないことはわかるでしょ。」
「まぁそうだね笑」
雨宮さんとそんな話をしているといつの間にか放たれた彼女はまた別のクラスメイトのところに向かっていた。




