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太陽と月  作者: 高槻博
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俺は八雲空

体育祭も俺らのリレーの甲斐あって何とか優勝することができた。まぁ俺はごぼう抜きされただけだから黒歴史入りすることは間違いなしだけど、結果としてチームが優勝できたから何よりだ。


そんな俺は今、体育祭の打ち上げのために、某ファミレスに来ている。いつも影でヒソヒソしている日向がみんなに絡まれている光景を見て、これをきっかけにあいつの良さに気づいてくれる人がいれば良いと思った。途中SOS信号が来たりもしたけど良い機会だと思い、放置してみることにした。


日向とは付き合いが非常に浅く、話すようになって間もないけど親交を深めていきたいと思っている。それによって日向の数少ない友達の雫や夜科とも関わる機会を増やしていきたいと思ってる。まぁ俺の雫への恋模様は気長に自分のペースでやっていこうと思う。


さて、時を元に戻し、現在俺は何かに違和感を覚えている。

それは雫と夜科、2人の様子が可笑しいことについてだ。どこがなぜ可笑しいのかという論理的理由は全く持ち合わせていないけど、普段から直感タイプの俺がいうんだから間違いない。


ぐずぐずしてるのが嫌いな俺は雫が1人になった隙を見て聞いてみることにした。


「なぁ、雫なんか元気ねーの?」


「なに、急に。気持ち悪いんだけど。」


「うるせーよ、このゴリラ女!こっちは何か可笑しいと思って心配してんのによ。」


「何かって何よ。笑」


「それはわからん。俺は直感タイプだからな。」


そう俺がいうと雫はクスッと笑った。


「直感タイプってなによ笑」


「うーん、簡単に言うと夜科が直感タイプで雫が論理的タイプ?みたいな?」


「なんとなく理解したよ笑」


「それで、なんか元気なかったりすんの?」


「別に?何ともないよ。」


「まぁ言いたくないなら別に言わなくていいけど、言った方が楽になることもあるし、夜科みたいに仲の良すぎる奴には相談できないこともあるだろうから、そん時はおれを頼れよ。」


「ふーん、優しいじゃん。」


「まぁな。」


普段中々笑うことのない雫が笑う姿は俺の心臓をかなり締め付けた。雫を心配する一心で声をかけたけどこんな表情を見ることができたので心配して良かったと思っている。


何かの違和感を感じていた俺だけど、この時、出席してない恩田がそのことに深く関係していることは知るよしも無かった。

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