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太陽と月  作者: 高槻博
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欲深い心は善であり、悪だ。ゆえに私は戸惑う

クラスの大半が参加する体育祭の打ち上げに少しでもらクラスに馴染めたらと思い半ば強制的に太陽くんを連れてきたわけだけど、嫌な思いをさせてしまうんじゃないかという懸念があった。馴染みやすいように私がきっかけを作るのは勿論だけど多干渉すぎるのもよくない。可愛い子には旅をさせろだなんて言葉はよく聞くのでそれに習い、今回は太陽くんを外から眺めていようと思った。まぁ私のことだから、そんな理屈を忘れて楽しんでしまうのだろうけど。


そんな私の親目線のような心配も無用に近かった。なぜなら、びっくり仰天、太陽くんはクラスに溶け込んでいたからだ。質問攻めにあっている最中に私の方を見てSOS信号を送ってきたように見えたけど、時には厳しくと思い、見て見ぬ振りをしながら他の子達と談笑していた。それから腹を括ったのか徐々に話し出して会話にはなっているようだった。しかし太陽くんの人慣れしてない感じが、周りの人たちに捕食されてしまうんじゃないかと怯える小動物のようでなんだか笑えてしまった。私もそこに入りたかったけど、そうはしなかった。そこに私が入ってしまったら太陽くんがみんなと仲良くなるチャンスを潰してしまいそうな気がしたからだ。


それからしばらく、私なりに楽しんでいたんだけど、どうしても太陽くんのことが気になって仕方がなかった。先ほどとは違い、太陽くんが馴染めてるか心配とかじゃなくて、取り巻きに女子が多かったので太陽くんの良さに気づいてしまう人が出てきてしまうんじゃないかと思ったし、何より太陽くんの隣にいつもいるのは私なのに、と。自ら離れておきながら思った。自分でも彼女でもないのにこんな気持ちを抱いてることに正直引いたし、自分が思ってる以上に太陽くんのこと好きなんだなと思った。そして私にはもう1つの心配ごとがあった。

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