一ページ目 小説家になろう
朧「霞さん霞さん!」
朧、最近「小説家になろう」に小説を投稿し始めた自称左利き。長期休みではほとんど外に出ず、引きこもりと呼ばれる。本名は朧気恭哉。
霞「何ですか朧さん?」
霞、朧の友人。アニメやライトノベルが大好き。でもイベントには中々出かけない。それよりもテニスがしたいらしい。本名は紫霞紗彩。
朧「見てくださいよ。私、小説を書き始めたんですよ。」
朧は手元のスマホで自分の書いた小説を見せつける。
霞「飽き性のあなたに続けられるんですかねぇ。ってそれより作者名がOBRなのは何で?」
朧「まあ、朧=おぼろ=OBRって感じですかね。先人の知恵ってやつです。」
霞「先人で名前をそんな風に表記していた人なんていましたっけ?」
朧「・・・と、とにかく、今の私の夢はこの小説が文庫化してアニメ化、そしたらアニメ好きの友人に『このアニメ知ってる?』って聞いて『知ってる知ってる!これストーリーが凄く良いんだよねぇ。』って言われて『これね、実は私が原作者なんだよ。』って言って驚かせたい。」
霞「長ったらしい説明をどうもありがとう。それにしても頻繁に変わる夢ですね。動画配信者、漫画家、イラストレーター、歌手、声優と来て今度は小説家ですか・・・。もっと現実的な夢を持ったりしないんですかねこの人。」
朧「ロマンを求めて何が悪い。まあとにかく、プロローグ読んでみてくださいよ。」
霞「うわお、すっごい中二病。」
これを聞いて朧は憤慨する。
朧「書いてたらそうなったの!てかその書きぶりはプロローグだけだし。」
霞「あれ?この『ちびっこ魔女と古代生物』プロローグに主人公出てないですよ。」
朧「ちびっこ魔女は最後のセリフの『あれは・・・』だけ登場ですが、実は主人公はちびっこ魔女ではないんですよ。」
霞「誰ですかね。召喚してた人?」
朧「まあ、第一話でわかるでしょう。」
霞「ふーん、あ、それとこのラ・ロシリーズって何?」
朧「このシリーズに一貫させて、ある人物を登場させようと思っているんですよ。それはその人物の名前です。」
霞はスマホを朧に返す。
霞「まあ、頑張ってください。期待はしませんけど。」
朧「そうですかどうも。」
霞「あ、少しメタい発言になりますが、なんでこの中だと私は霞で、あなたは朧っていう名前なんですか?」
朧「ふっふっふそれはですね、新古今和歌集の『照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 朧月夜に しくものぞなき』という歌から取って朧。
霞さんは万葉集の『春の野に 霞たなびき うら悲し この夕かげに 鶯鳴くも』という歌から取りました。」
霞「・・・本当は?」
朧「これが本当ですよ~。どっかのハンティングアクションゲームから取ったわけないじゃないですかアハハハ。」
霞「まあいいでしょう。私、この後テニスあるから・・・また小説書いたら見せてくださいね。」
朧「んー。じゃーね。」