第28話 漆黒の竜と、白き不老不死
キーアイテムがまだ出ておらんからそこまで熱くないなー
だけどあれは出てきたぞ!
サー読み進めるがよい!
扉の奥で待つ、どこまでも美しい黒を放つ巨体な竜が、雄叫びをあげている。
その雄叫びは、地面を揺らし空気が弾けるほどだ。
「いきなりやってくれるな、馬鹿でかい音出しやがって……」
僕は漆黒の竜を見ながら、とぼとぼとゆっくりと歩みを進めながら言っていた。
正直なところ、あんなバケモノとは絶対に戦いたくはないのだが、彼女を救う為に、不老不死にする為に必要な試練だと、そんな風に僕は思っている。
だから、例えどれだけ怖くても、彼女の命が救えるのであれば、こんな恐怖なんてどうって事はないのだ。
そして僕と彼女は剣を構えた……敵の体調は30メートルほどだろうか、厄災指定してもいいような、そんな気がする。
僕は彼女に、目でアイズを送り、そのまま全速力で竜に向かって行くと、漆黒の竜は翼を広げダンジョン内を飛び回る。
そんな光景を見て僕は、心の中でこんな事をおもっていた。
「ダンジョン内で……30メートルの化け物が、飛ぶとか……広すぎるだろ、やれるか?やれるよな?やるしかねぇーよな!」
走って向かう僕に対して、漆黒の竜は白色の炎を口から放った。
「な、何よこれ……化け物なんて、そんなレベルじゃないわ……エルノーラ!作戦あるんなら今のうちに言っといた方がいいんじゃない?
もったいぶってちゃ、流石にまずいと思うよ?」
彼女は、漆黒の竜の強力な一撃を、呼吸一つ乱さずに、壁を走りながら避けた。
しかもにっこり笑いながら、まだまだ余裕があるみたいだ。
そして彼女は、壁を思いっきり蹴って、漆黒の竜へと一瞬で間を詰めると、魔剣リジルによる一撃を、見事に漆黒の竜にくらわせたのだった。
「グォォォォオオオオオ!」
大きな叫びが、フロア内に響き渡っている……
しかも何やら、漆黒の竜は一太刀入れられたことにより、怒りで暴れまくっているようだ……
「おい、人間……そうとう、死にたいみたいだな〜」
謎の声が聞こえる、二人は頭の上に、はてなマークを浮かべながら、互いの顔を見て首を振っていた。
「誰だよ、今の声?」
そう言うとさらに大きな声で、謎の声は答えてきた。
「ここだよ、ここ!グォォォォオオオオオオオ!」
まただ、空気がわれるような音……それに加えて人間が発した言葉に、到底思えない叫び……答えは一つだ、目の前にいる漆黒の竜。
奴が、話しているとしか思えなかった……知性持ちの敵など、どれだけめんどくさいことか……
そして今、何故奴が上空をずっと飛び回って攻撃してくるのかに、僕は気付いたのだった。
知性がまわる動物は、とても臆病なのだ。それ故に避けたがる……何を避けるのかって?そんなの決まっているだろう?致命傷を、避けたがるのだよ。
そんな漆黒の竜の行動に、僕は「きたねーな」と心の中で思いながらも、不老不死らしく、再生能力が高い種族にしか扱えない魔法を唱えた……魔法がないなんて、一言も言ってねーからな?
「全ての扉を開け、限界を解き放て、我が名はシグルズ エルノーラ、無限の神よ我に御加護を……
アンリミテッド!」
そう唱えると黒かった髪の色が、白に変わり。瞳の色も白色になっていた。
そんな僕の事を見て、彼女は一言口から漏らした。
「な、何あれ、とっても綺麗……」
この技は不老不死の一族の中でも、特別優秀な奴にしか扱えないのだ。
そして彼女の反応を見るからに、おそらく一度も見た事がない、魔法なのだろうと。
そして僕は、僕自身の限界を超えまくった跳躍力で、竜の上まで跳ぶと、そのまま剣を構えて、高速回転しながら竜のうな……いや首元を狙って、斬りつけたのだった。
「しっねぇぇぇえ!ウォォォォォオ!」
竜の鱗と剣が擦れ合い、「ガギギギィィイキン」と鈍い音を立てていたのだが、竜の鱗には傷一つ、つかなかった。
むしろ、鱗の硬さに負けて剣の、刃の部分がガリガリと、ギザギザに刃こぼれしてしまい、使い物にならなくなってしまっていた。
それに対して、魔剣リジルは竜の皮膚に刃がきちんと通っている……その時僕は察してしまった……
この剣では、奴の強靭な鱗には全く刃が通らない事を……その事が分かった上で、僕はもう一撃奴にぶちかました。
「ふん、人間よ……つまらんなー実につまらん……そんなオモチャでは我には勝てんよ?
そこのお嬢ちゃんの持っている武器も、本来の使い方では無いしな〜
諦めて死ぬがよい!」
そう言うと竜は、アルマに強烈な竜パンチを浴びせた。
その拳は、まさに巨人族のそれと同等のものである。
もちろんその拳を、魔剣リジルでガードはしていたみたいだったのだが、そんなガードは役に立たず、彼女は口から血を吐き壁にめり込んでいた。
そして、漆黒の竜は高笑いしながら僕らに言った。
「滑稽じゃな!ぐわぁはっはっはっは!
まるで殴った感覚が無いわ!
諦めるがよい、人は竜には勝てんのだからな」
そんな事を言う漆黒の竜を、俺は睨みつけていたのだった。
お疲れ様です!
読んでくださってありがとうです!
最近はなかなか評価されないぜ……
だけどブクマが10件に達したのでイラスト制作してます!
キリのいいところで出したいね!




