第23話 雑魚には雑魚なりの理由がある
どうも読んでくださり、ありがとうございます!
まーまだまだ触りの部分ですので、熱い場面はまだですねー。
中に入ると、天井の高さは50メートルほどあり、なかなかでかいものだなと、2人で何気なく感動していた。
しかも天井は暗いせいなのか、真っ黒だ。
「なぁー入ったのはいいんだけど、これってクリアしたらちゃんと出れるのか?
転移陣が無かったらどうしよう……」
私は彼の、不安そうな顔を見て言った。
「大丈夫だよ、たぶん……」
稀にあるみたいなのだ……転移陣がないダンジョンが。
因みに……多分説明なしでもわかっていると思うが、転移陣とは、ダンジョンをクリアした際に、冒険者が、楽に出る為に作った物だ。
そしてダンジョンによって、転移陣の作り方は異なる為、道中で倒したボスクラスのモンスターなどや大量に発生したモンスターなどは、鍵になりやすい。
その為、体の大事そうな部位を切り取って……大事な部分を、持って行くのだ。
とても、とても大事な部分だ……。
それと転移陣が作られたことのあるダンジョンでも、時間が経つと壊されている事もあるし、ダンジョン自体が生きている為、吸収されている場合もあるのだ。
特にボスクラスのモンスターが、神話クラスのモンスターの場合などは、まず残らない……
ダンジョンが、栄養を欲して吸収してしまうからだ。
まー神話クラスのダンジョンなんて、早々ないのだから、大丈夫だろうと僕達は、ゆっくりとダンジョンの奥へと進んで行く。
「このダンジョン……柱が多くてうざいな……」
僕は歩き進めながら、そう言うと彼女も同意していた。
「本当ですよ……柱にモンスターが隠れていたらどうしよう……」
そう僕らが言っていると、ライラが頼もしく吠えている。僕がいるから大丈夫だよと言わんばかりに、激しく鳴いている。
「ワァオォォォオン!ワァオン、ワァオン、ワァオン、ワァオン!
ヘッ、ヘッ、へッ、ヘッ」
何とも頼もしい愛犬だ、そしてそこに強さがあるから本当に頼もしい。
恐らくだが、ライラを単独でダンジョンに行かせた場合、その辺のダンジョンであれば、全てクリアできるほどの力はある。
何故そう思うのかって?その話はまだしないぜ。
まぁーとりあえずこういう話は、番外編にでも期待しながら待っててくれよ。
僕と、この子達の冒険の。
まぁーそんな事よりもだ、ライラが敵を見つけたらしい、10メートル感覚に置かれている6本目の裏側に、僕達は大きな影を見た。
そしてその柱から、奴が出てきたのだった……小さな竜が。
小さな竜は、僕らに向かって叫びを上げ、突っ込んでくる、地べたを這いずりながらトカゲのように……
というよりか、トカゲみたいな竜だ……
強いのだろうけど、何故だかその外見のせいで弱く見えてしまう。
僕はそんな竜のことを、哀れみながら剣を振るった。
「なんか惨めだな……」
硬い鱗などが無かったせいか、すぱん!と真っ二つに胴が断たれていた……まさに雑魚だ。
そして小さな竜は、復活する事なく、何もできずに絶命してしまった。
「何だ……見た目どうりかよ!」
私もその呆気なさに、哀れみながら一言。
「雑魚……だったね……殺さなくても良かったね」
何とも哀れな竜なのだろうと見ていると、次の瞬間真っ黒に覆われていた天井が剥がれ落ちてくる、柱もドンドンと真っ黒に染まっていった。
その光景を見た瞬間、ライラが座り込み僕たちの事を見て吠えてきた。
そして僕は彼女の手を掴み、そのまま2人でライラの背中に飛び乗り1キロほどある通路を、全速力で駆け抜けていく。
そして残りは100メートルほど。
だけど普段はつけていない、装備などのせいで、ライラのスピードがいつもよりも、落ちている事に僕は気づいた。
そして僕は、ライラに命令してそのまま飛び降りた。
「ライラ!彼女の事は頼んだぞ!
つっぱしれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!」
私は飛び降りる彼を見て叫ぶ。
「早く逃げないと!飲み込まれちゃうよエルノーラ!」
だがもうすでに遅かった、大きな通路の出口は真っ黒な影に覆われてしまっていたのだった。
退路は断たれたのだった。
これからもフワッティーの事をよろしくです!




