前の席のテレパス
前の席に座っている小塚真由子が振り向いてきた。
「放課後、話出来るかな?」
席は前と後ろだが、俺と真由子はほとんど話をした事がなかった。
と言うよりも、彼女が誰かに話しかけるところなんて見たことがなかった。
面食らった俺がどうにかうなずくと、すぐに真由子は前に向き直った。
話って一体何だろうか?
放課後、他の生徒が全員いなくなるのを待って、真由子が椅子を動かして後ろに身体を向けた。
「まずは話を聞いて欲しいんだけど」
「うん」
真剣な彼女の面持ちに、俺の胸の鼓動が高まり始めた。
「私、超能力者なの。人の心が読めてしまうの」
彼女はあくまで真顔だった。
「いや、何を言い出すんだよ」
「まずは話を聞いて。とにかく私は人の心が読めてしまう。声になって聞こえてくるの。小さい頃はそれが当り前だと思って、聞こえた事をそのまま相手に言ったりした。幼稚園の先生に、『先生フリンしてるの? フリンてなぁに?』みたいな調子で。
当然周りからは気味悪がられた。親にまで気味悪がられた。私は小学校の中頃になって、何故自分が嫌われるのかを理解した。私、鈍いからそれまでずっと気付かなかったの。
それからは出来るだけ他人と接しないようにしていた。心の声が聞こえてきても無視してきたの。それはそれで感じが悪いって嫌われてるみたいだけど、余計なトラブルを起こすよりはマシだと思って、ずっとそうしてきたの。
中二の今になるまでずっとね」
真由子は一気にまくしたてた。
にわかには信じられない話だった。当り前だ。
しかし真由子の事を変な妄想に囚われた人間だとは思いたくなかった。
真由子の言う事が本当なら、彼女はこれまでつらい日々を送ってきたのではないだろうか? 他人を遠ざけて生きていくのはつらい事のように思えた。
「いや別に。私は独りが好きだし」
俺は一言も喋っていない。
本当に心が読めるのか?
「そう言ってるでしょ? 君、さっきの小テストの最初の問題、(ア)って答えたけど、あれ、(ウ)だから。始め(ウ)だと思ってたのに、深読みして(ア)に変えたでしょ?」
確かにその通りだった。本当に心が読めるみたいだ。
そうなってくると一つ大きな問題がある。
「心が読めるって、どの程度読めるんだ? 何でもかんでも読めるのか?」
「心に思った言葉が聞こえてくるの。でも遠くにいるとそんなに聞こえて来ない。できるだけ聞かないようにしているし。でも近くにいる人間からだと考えている事はダダ漏れ。全部丸ごと聞こえてくるの」
全部聞こえるのか。それは実にまずかった。
実は真由子は俺にとって気になる存在なのだ。一年の時からずっとだ。
二学期に入ってからの席替えで後ろの席になって以来、彼女に近付く良い方法はないものか考え続けていた。
それが丸々読まれていたのか。というか、今こうして思った事もそのまま聞こえてしまっているのだ。
「その通り。君は何故か私を気にしている。これが話の本題」
告白もしていないのに、相手に自分の気持ちが知られるとは、かなり格好悪い事態だ。
「え? 告白って何?」
「いや、もう手遅れだけど」
「何が手遅れなの? そうそれ、君の考えている事が理解不能なの。いつも変に私をジロジロ観察して、私と一緒に帰りたいとか、遊びに行きたいとか。もっとエロい妄想もいっぱいしてるし。何で私なの? 他に可愛い娘いっぱいいるじゃない。妄想するならそういう娘の方が楽しいでしょ?」
やっぱりことごとく心を読まれている。エロい妄想まで読まれてしまっている。
でも何でと言われても答えられなかった。いつの間にか気になっていたのだ。こういうのに理由なんてないはずだ。
「いや、理由もなく気にされる方の身にもなってよ。君の妄想が耐えがたいの。今日の三時限目は酷かった」
ああ、あれまで読まれていたのか。確かにあれは行き過ぎでした。十八禁と言ってもいい内容だった。
「でも、好きなんだから仕方ないだろ」
「開き直った。そりゃ、妄想好きな男子は他にもいっぱいいるけど、君は私、ピンポイントなんだよ。それが耐えがたいの」
「でも、それが好きって事だから」
「いや、この際、君の趣味をとやかく言わないよ。でも私は勘弁して欲しいの。他の女子で妄想して欲しいの」
「それが答え?」
「何の?」
「俺があんたを好きって事の答えなの?」
「え? 君、私が好きなの?」
見る見る真由子の顔が赤くなる。
あれ?
「え? 君って、単なる妄想好きじゃないの?」
「いや、好きなのは妄想じゃなくてあんただよ。俺はあんたが好きなんだよ」
なし崩し的に告白してしまう。どうにも締まらない。
「え??? いやいやいや、君は妄想好きで、単に目の前にいるから私を妄想の餌食にしてたんでしょ?」
「逆だよ。俺はあんたが好きだから、それでついつい妄想してしまったんだよ」
妄想妄想と何度も言われるのはかなり堪える。
「いや、ごめん、ちょっと待って。予想外の事態だ」
「あんた、心が読めるんじゃなかったのか?」
「いや、読めるのは読めるけど、理解出来るかどうかは別問題じゃない。私鈍いんだし。こういう方面、特に駄目なんだよ」
真由子は自分の机に向かうと頭を抱え込む。
何? 俺、自爆した?
しかもかなりグダグダした自爆の仕方だった。最悪だった。
「私だって最悪だよ」
「いや、最悪って言い方は非道いぞ。一応告白した相手に向かって」
「今の一連のやり取りが告白なの? ああ、私にも憧れてるシチュエーションとかあったのに」
俺に憧れているシチュエーションはなかったが、もっと格好良く決めたかったというのはある。
とにかく俺は振られてしまった。
最悪呼ばわりされて振られてしまったのだ。
振られた相手の席が前という状況はかなりつらい。しかも相手はこっちの思いが全て読めてしまうのだ。失恋に傷付く思いも丸ごと読まれているのだ。
前からノートの切れ端が差し出されてきた。
『放課後、残って下さい』
放課後残っていると、他の生徒が全員いなくなるのを待って、真由子が振り向いてきた。
「かなり堪えてます」
「俺もだよ」
「君のそのウジウジした考えがずっと聞こえてくるの。分かる? もう、ハッキリ言おう。私は君に一切興味ないから。サッサと諦めて。他に好きな女子を作って」
「そんな簡単に気持ちを切り替えられたら世話はないって」
「でも諦めて。既に私は君を憎悪しつつある」
「非道いな。全く見込みはないの? 憐れみを持って、少し考えてみてくれよ」
「私は独りが好きなの。自分の世界に没入するのが好きなの。君の考えが聞こえてくると、邪魔になって仕方がないの」
確かに去年の冬、珍しく降ってきた雪を一人うれしそうに校庭で眺め続けていた。あの後、肺炎寸前まで行ってずっと学校を休んでいた。
林間学校の時も一人で山の奥へ入って行って一晩帰ってこず、危うく遭難届けを出すところだった。
美術の授業ではものすごく書き込まれた、でも理解不能な絵をいつも提出していた。
それ以外にも……
「いや、勘弁して下さい。そういう私の観察記録が延々聞こえてくるのは本当に勘弁なの」
確かに逆の立場で考えればそうに違いなかった。
興味もない男子が自分を常に見ていて、その記憶を何度も思い返すのが常に聞こえてくるのだ。
そう、俺は授業中も含めて常に真由子の事を考えていた。
「分かってくれたんだ」
「いや、俺はあんたを諦めない。いつか必ず振り向いてもらう」
「マジで勘弁して下さい」
「でもあれからエロい妄想はしてないだろ? 清く正しくあんたと付き合いたいんだ」
「一緒に帰ったり、買い食いしたり? 毎晩電話で語り合ったり」
「そう。そんなかんじ」
「さっきも言ったけど、私、独りが好きなの。そういうのは理解不能なの。理解不能な声が常に聞こえてくるなんて、本当に最悪なの」
「でもあんたが独りになりたいっていうのは、今までいろんな人間のどす黒い考えを聞いてきたからだと思うんだ。でもずっと独りという訳にはいかない。俺と付き合って、人と接するのも悪くないって知って欲しいんだ」
「それは本心でそう思ってるよね。でも余計なお世話だよ。私は独りが好きなの。雨がガラスを叩いて水滴となって流れ落ちるのを見たり、絶え間なく姿を変える雲の様子を見たり。虫の方のクモのきらめく巣を眺めたり、そういうのが好きなの」
「でもそんなんで大人になった時どうするんだよ」
「私は学者になるの。気象が特に好きだから、そっち系。君がいつも謎の本って言ってるのは、全部その関係の専門書なんだよ」
思えば、こういう彼女の風変わりなところが気になったのかもしれない。
いつも独りで、しかしいつも楽しそうな彼女。そういう姿を見ているうちに気になりだしたのだ。
「君も大概変な趣味だよね。もっと明るくて可愛い娘を好きになりなよ。皆瀬さんとかさ」
皆瀬さんはクラスの人気者だ。いや、学年でも人気が高い。彼女を好きな男子は大勢いると聞いている。
「あ、もしかして競争力が低いから、私に目を付けたんじゃないでしょうね?」
「そんなんじゃないって。心が読めるのに、他人の事を全然理解出来てないよな」
「まぁ、そうなんだけどね。いつも喧嘩している大野君と水原君が実は好き同士とか、全く理解不能だよ。そもそも何で男同士なのに好き同士なの?」
今、とんでもない繊細な秘密を暴露してきた。
大野と水原はそうなんだ。初めて知った。
同性でも好き合うというのは実際にある話だと聞いている。真由子は他人の心は読めるけど、人間理解の底は浅そうだ。
「だって独りが好きなんだし、他人には興味ないんだよ」
「でも俺は諦めないから」
「しつこいなぁ、本当にしつこいよ」
真由子がうつむいた。
本来、好きな娘をここまで苦しめるのは良くないのかもしれない。それは分かっているので、変に彼女に付きまとったりはしていない。あくまで遠くから、いや目の前の席にいるのだが、とにかく独りが好きな彼女に声をかける事もせず見守り続けているのだ。
「見守っている? いやジロジロ観察してるだけじゃない。私が何色のブラを付けてるか毎日チェックするとか、セクハラもいいところなんだけど」
目の前に背中があるのだし、どうしたって目が行くのだ。出来るだけ余計な事は考えないようにしているが、俺もあくまで健全な男子中学生なのだ。
「開き直りだ。はぁ、先生に言って席替えてもらおうかな? でもあの先生苦手なんだよね。目立つ事もしなくないし」
「いっそ付き合おう。そうすればあんたが嫌がる俺の思いも理解出来るようになるはずだ」
「どさくさ紛れにとんでもない事言い出すよね。何で独りが好きな私が、好きでもない男と付き合わないといけないの?」
本人から面と向かって好きでもないと言われた。かなり傷付く局面だが、気にせず前に進むしかない。
「まずは経験だよ。何事も経験してみないと分からないだろ? 好きじゃなくてもいいじゃないか。恋人同士、二人で遊んでいると楽しいぞ。いや、絶対後悔させないぐらい楽しませるし」
「君自身、誰とも付き合った経験がないのに何でそんな事が分かるの? 現実は妄想通りにはいかないよ」
「そこも含めて経験を積むんだよ。絶対後悔させないから」
「無理です。諦めてください」
「これ以上俺の鬱憤が溜まると、とんでもない妄想に突っ走るかもな」
「うわ、脅迫ですか? でもそれは困るな。うーん、仕方ない、ちょっとだけ付き合ってみるか。あくまで清い交際。エロ厳禁。万事私に拒否権有り。そして私を楽しませること。まずはお試し一ヶ月」
「分かった。ありがとう。分かってくれて」
「苦難のひと月の始まりだわ」
それから俺達は付き合いだした。とは言え、真由子が拒否権を握っているので、本当に付き合っていると言えるのか疑問ではあった。
休み時間、前の席に行って話しかけるのだが、三回に二回は断られた。昼休みに一緒に弁当を食べるのだが、彼女は常に本を読みながら弁当を食べていた。毎晩考えている渾身の面白い話はほとんど聞いていないようだった。
帰り道は途中まで一緒だった。ここでも俺は彼女を楽しませるべくあれこれと話をするのだが、彼女が笑う事はほとんどなかった。
しかしそのうち真由子の好みが分かってきた。自分でも言っていたように、気象に対する興味が深かった。俺には興味のない分野だったが、必死で本を読み、ネットで調べ、彼女が喜びそうな話を仕入れていった。
「そこがおかしいよ。何で趣味が違う娘の事が好きになるの? 付き合いだすまで私の趣味を把握してなかったし。本当に何で私の事が好きになったの?」
確かに真由子の趣味を分かっていなかったのは痛恨事だった。
彼女の見た目に惹かれていたというのは、誤魔化しようのない事実なのだ。
「いやいやいや、私の見た目って。髪は梳かしてないし、背は君より高いし、笑い顔の一つも見せないでしょ?」
その仏頂面が良いのだ。誰にも媚びない心の内側を表す、凛とした表情を見るのが好きなのだ。
「変なの」
そう言って真由子はそっぽを向いた。
三週間目にして、ついにデートに誘い出すことが出来た。
しかし徹夜で考えたデートプランは、図書館に行きたいという真由子の希望の前に水泡と帰した。
県立図書館で、真由子は理科年表の数字の羅列を見てうっとりしていた。
俺は図鑑を見ていた。雪の結晶の写真がきれいだった。
「君も気象の面白さが分かってきたようだね」
「ああ、冬になったら見てみたいな」
「ルーペはネットでいろいろ売ってるから」
一緒に見たいという言葉の裏に隠された意味を、真由子は少しも理解出来ていなかった。
「いや、そんなの言われないと分からないし」
「あんた、本当に心が読めるの?」
「読めるよ。聞こえてしまうよ。付き合いだしてから、君がずっとデートに行きたいって念を飛ばし続けてくるから、ついに屈して今日こうしてデートしてるんじゃない」
屈してデートですか。
「文句があるなら帰って下さいよ」
「いいや、帰らない。混む前に昼飯にしようぜ」
この近所に良い感じの店があると聞いた事があった。
「あ、私、ここへ来たら食べる物決まってるから」
そう言われて連れて来られたのは定食屋だった。
真由子が唐揚げ好きなのは既に知っていたが、この店は量がやたらと多かった。
「だからいいんじゃない。大丈夫。ちゃんと食べ切れるように朝ご飯減らして来たから」
食べ切れる心配をしている訳じゃなかった。少しもムードの盛り上がらないデートに泣けてきていたのだ。
「ムードを盛り上げてどうするつもりなの? やっぱりエロ目的じゃない」
「そうじゃないって。デートってもっと甘い物じゃないのかよ」
「あ、ここ甘味もあるよ」
「そういう意味じゃなくて」
「君の肥大化した妄想に付き合うつもりはないよ。タキシードとドレスでクルーザーなんて、そもそも中学生には無理じゃない」
「それは将来的な願望だよ」
「いや、後四日間だけですから」
やっぱりお試し一ヶ月で終わりなのか。気持ちが激しく沈んでくる。
「仕方ないなぁ、ちょっとだけいいムードを味合わせてあげるよ」
一緒に夕日を見よう、そう真由子は言った。
しかし場所は見晴らしの良い展望台なんかではなかった。そこら辺にある歩道橋の上だった。まぁ、既にある程度諦めてはいたのだが。
「この歩道橋は穴場なんだよ。展望台なんて、エロい事しか考えてないカップルばかりで耐えられないんだから」
そう言われるとそうかもしれない。心が読める真由子はいろいろと行動が制限される。今日乗って来た電車も、急行が使えるのに空いている各駅停車を選んでいた。
自分を嫌っているクラスメイト相手でも、表向きは普通にやり取りをしなくてはいけない。今、目の前で自分を罵っていようとも、それはあくまで心の中でなのだ。
「そんな事より、今は夕日を楽しもう。今日は良い夕焼けになりそうだよ」
もう日は傾いており、西の空が赤く染まり始めていた。歩道橋から見える家並みも、赤い夕日に照らされて昼間とは違う姿を見せていた。
「このじっくりと移り変わる世界を見るのが好きなんだ」
柵に肘を付いて真由子が呟いた。
真由子は微笑みを浮かべて目の前の景色を楽しんでいた。
「きれいだな」
「でしょ? 今日は当たりの日だね」
山に太陽がかかる頃、夕焼けが空一杯に広がった。たなびく雲も赤く染まっている。太陽が山の向こうに沈むと、空は青みを取り戻し始める。山際をわずかに黄色く染めた後、周囲は夕闇へと移り変わっていった。
「はい、お終い」
真由子がこっちを向いたので、慌てて顔を背ける。
「君、ちゃんと見てた?」
「見てたよ」
半々だった。つまり半分はちゃんと夕日を見ていた。
「残り半分は?」
言うまでもなかった。
「私? ちょっと、勘弁してよ」
真由子が困った顔をしてそっぽを向く。
そしてついに一ヶ月。
放課後、また二人だけ教室に残る。
「さて、ようやく一ヶ月が過ぎた」
真由子がニンマリして言う。
「その笑顔だけで傷付くんだけど」
「今更ウダウダ言わない。お試し期間は今日で終了だよ」
覚悟していたとは言え、さすがに落ち込む。
いや、一ヶ月だけでも付き合えて良かったのかもしれない。良い思い出が出来たと素直に諦めようか。
「分かったよ。今まで付き合ってくれてありがとう」
「あれ? 諦め早いね?」
真由子の顔を見ると、浮かべた笑みが少しぎこちなくなっている。
この様子は、なるほどそうだったのか。
「言ってなかったけど、俺も人の心が読めるようになったんだ」
「嘘でしょ?」
「俺と付き合ってみて、意外と楽しかったって思ってるだろ」
「そんな事ないよ?」
「このまま付き合うのも悪くないって思ってるだろ」
「そんな事ないってば。でも何? 本気でそう確信しているね」
「さらに予言も出来るようになったんだ。俺とあんたはこれからも付き合い続けるんだ」
「それも確信してる。え? 何で? どうしたの?」
「あのさ、誰だって好きな相手が何考えてるかぐらい、分かるものなんだよ」
「でも残念。君の考えは外れだから」
「それ照れ隠しだろ。俺、分かるから。改めて言うよ。これからも俺と付き合ってくれ。そして一緒に色々な世界を知っていこう」
真由子の顔が赤くなる。
「答え、聞かせてくれる?」
「君が今、思った通りだよ」
「じゃあ、今週末、プラネタリウムに行こう」
「それは賛成だけど、闇にまぎれて手を握ってくるとか許さないから」
「やっぱり読めた?」
「常に読めるから。これからも覚悟しといてね」