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「死神姫の晩餐会」PART8


森を遊覧するはずが思いもよらぬハプニングに会いマシロの提案で一時屋敷に戻ったメイ。


「お嬢さまは先に屋敷に戻っておられます。お嬢さまは私も行く、そう強く言われましたが私の説得を辛うじて聞き入れてもらえ屋敷に留まられました。メイさまをすごく心配なされていましたよ。心配するあまり強情なところが出てしまわれたようです」


マシロがメイが消えたときのアメリアの状態を事細かに教えてくれた。


「お嬢さまはいてもたってもいられぬご様子であんなに慌てているお嬢さまはずいぶん久しぶりに見ました」


 そっかぁアメリアも心配してくれたんだ…。


マシロの時のようにメイの胸の奥が暖かくなる。


「私はこの男等を森を抜けた先の村にある軍へ連行せねばなりません。これも私の仕事のひとつなので。

ですのでメイさまお先に屋敷へお帰りください」


屋敷から連れてきた馬に密猟の男たちを積みマシロが跨る。


「屋敷の中は安全ですのでお嬢さまと一緒に待っていてください」





★★★★★



マシロと別れメイは屋敷の古びた門の前に立っていた。


屈強な煉瓦で固められた壁はとても強そうで排他的…。


出るときはなにも思うことはなかったがこうして一人になるとどうしても意味がないのかあるのか無駄な

のかそうじゃないのよく分からない想像に似た脳の暇つぶしが始まる。


数百年はそこに建ち続けていただろう古特有の侘しい気品。


外から見ると地面から生えた蔦が絡まり建った当初より全体的に劣化している屋敷の姿は神がかった未知

と恐怖をどこか感じさせる。


ふと男の言った死神という言葉を思い出す。


あの言葉には一体どんな意味があったのだろう?それとも初めから意味などなかったのだろうか。


自分はそれをいつか知るのか、知ることはないのか、知らない方がいいのか、知るべきなのか…。


よく分からない。


「ふぅ。なに考えてるんだろうボク」


たまにある考えたくもないことを気づけばどんどんどんどんのめり込み我を忘れてしまうこと。


「現実主義者のボクには似合わないよね」


思いに耽っているあいだにメイは数mある門を片手間で飛び越え、花壇に囲まれた正面玄関までの距離を数歩で渡り扉を開けた。


「メイ!無事だったのですね!!」


「アメリア!」


扉を開けると開口一番でアメリアの安堵と緊張の残った声と共にアメリアがメイに駆け寄る。


「よかった…。メイがいなくなって私いそいでマシロを呼んで…それでそれでマシロがここから出ちゃい

けないって。だから私ずっとずっとメイのことが心配で長い時間を堪えていたの。無事で本当によかった」


いまでも泣き出しそうなアメリアの姿があった。


「心配させてごめん。だけどボクは大丈夫だよ」




「ただいま。アメリア」


「おかえりなさい。メイ」


二人のあいだに生まれた友情をメイは確かに感じた。

仕事が忙しかったりしたりして更新が遅れがちです。駄文似非小説家の分際ですいません(苦汗)

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