「死神姫の晩餐会」PART3
コト。ティーカップをテーブルの上に静かに置かれる。
「とても面白い旅のお話でしたわ。メイはとても頑張りやなのですね」
「そんなことはないよー。アメリアもその若さで家を継いでるなんてすごい!」
きらきらとした瞳で子どものようにはしゃぐ。それを二人は微笑ましい笑みでメイを見つめる。
この数時間の内で随分と仲良くなったようだ。
「よろしければメイわたくしの大事なものを見てみませんか?」
椅子から立ち上がりくるりとメイの真後ろに立つ。
「大事なもの?」
「ええ、デスビート家が代々守りそしてわたくしの宝物です」
「見るみるー」
「ではザイカの森へ行きましょう。そこにそれはあります」
「おっけー」
「マシロは屋敷の仕事を続けてちょうだい」
「ですがお嬢さま、メイさまと二人だけで森に行くのは…まだ密猟者の罠の見落としがあるやもしれませ
ん」
マシロがアメリアの身を案じ心配そうな顔をする。
「だいじょうぶよ、案内するのはあくまで屋敷の近くだけだから」
「ですが、やはり私もご一緒した方が…」
それでもやはりアメリアのことが心配のようだった。
「なにかあったらボクがアメリアを守るから安心してマシロ」
自信の溢れる表情でアメリアを守ると宣言するメイ。だがその幼い顔とマシロに向けたピースのサインが
妙に可笑しかった。まるで何も知らない小さな子が何も知らぬ故に見せる強がりのような子どもの頃誰に
でもあったようなそんな光景だ。
「うふふ、みたいよマシロ。ここにいる小さなナイトがわたくしを守ってくれるみたい」
「…で、ですがメイさまは…ぷ。し、失礼しました」
「なんで二人とも笑うのさ。こうみえても実はボク強いんだよ」
ぷくー、とリスのように頬を膨らませる。
「ええ。メイはとても強くて可愛いですものね。もちろん信じていますわ」
「まだ笑うー。それに信じてないなぁ。あとボクは可愛いよりカッコいいを目指してるの!可愛くなんて
ないもん」
アメリアより一回り以上小さな体でアメリアをぽかぽか叩く動作をする。実際には当たってはいないが余
計にメイの幼さを主張させてしまう。どうやら当の本人は意識せずにやっているようだった。
「メイさま次は落とし穴に嵌らないようご注意ください。ぷ」
実はメイの有り様が以外につぼにハマッているマシロ。
「ムー、マシロまでなにさー!あれはお腹が減ってたからであって」
「はいはい。じゃあマシロわたくしはメイと森へ行ってくるわ」
「しょうがありませんね。どうかお早いお帰りを。ぷ」
どうやらマシロからも森へ行く許しがでたようだ。笑いをこらえながら。
「ちょっとボクのはなしはまだ…」
言いかけるメイの手をアメリアが引いてゆく。
「では行きましょうかザイカの森へ」
「ボクあ、あしらわれた?」
そうしてメイはアメリアに手を引かれ二人はザイカの森へ。
感想などもしあればぜひぜひお願いいたします。まだ三話目ですが…。