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「死神姫の晩餐会」PART1

古。それはもう千年以上も前のお話。御伽噺として語られる時代。今では想像すら出来ない浮世の世界。


そんな世界が確かに存在していた。”ドラゴン”、”エルフ”、”ヴァンパイヤ”。


人ならざる異形の存在が当たり前だった異界の地。混沌と語り継がれ魔と恐れられ神と崇められた神秘の

世界。


人はそれを”神不在世界カオス・ヘッド”と呼ぶ。




★★★★★




そこには色鮮やかな緑で彩られた木々が集まるここは近境の村から外れた森。


おおよそ人の手は加えられておらず自然そのものの形という印象を受ける。


小鳥のさえずりと陽の光により幻想的な要素すら加わった気すらする。


自然が造り出した空間の中を歩く女性がいた。よく見るとその女性はどこかの屋敷で奉仕をしているのか

給仕の制服。


つまりはメイドの格好をしていた。それはこの幻想的な空間において少なからず違和感を感じさせた。


メイドの女性はさらに自身の体よりも長い棒のようなものを藍色の布で包み込み何やら抱えていた。


「ふぅ。今日も森に密猟者が来た痕跡はありませんね。」


肩に届く髪をそっとかき上げ一人呟く。帰ろうと女性が踵を返そうとしたそのとき視界の端に赤い色の物

体を捉えた。


「?」


よく目を凝らしてみると茂みの先に赤い何かがあった。


 あれは赤い…石ですか?


この森を良く知る少女はそれが本来そこにはないものだとすぐに気づいた。そしておそるおそる茂みを覗

く。


そのとき手に持った長棒を握る力も強くなる。


それは赤い石ではなかった。そこにいた存在はとても美しくとても儚い、神秘的で触れてしまえば壊れて

しまいそうな繊細さを兼ね備えた人間に彼女は思わず見惚れてしまっていた。


全身を赤という赤で包み頭には赤の帽子、左の目には三つ矛の刺繍の入った紅い眼帯、体には朱いコートただ左腕だけが黒い鎧に覆われている。


洗練された顔の造形、金色に染められ煌めく髪がうつ伏せに倒れる背中の全てを覆い隠すほどの長髪だ。


なぜか腰から下は地面に空いた穴にすっぽり嵌っていた。そしてその瞳は閉じられている。


 綺麗。


「ハッ。あっあの、だっ大丈夫ですか!?」


我に返り穴に駆け寄る。


「お、お腹減ったー」


ぎゅるるるるるるるるるるるるるるる。


森に腹のが響く。


こうして真紅”オーガ”メイ・チェリーナが死神の魔の手に巻き込まれてゆく。


駄文ではありますがすこしづつでもメイ・チェリーナの話を綴ってゆけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

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