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なーろっぱ世界の短編 婚約破棄とか聖女とかドアマットとか転生とか

勇者はきれいずき ~オレのトレードマークは白いエプロンとホウキさ!~

作者: マンムート
掲載日:2026/07/01


オレの名前はマジック・リン。


しつこい汚れまで全部落とす主義だ。



生まれついてのきれい好き。


部屋の隅のほこりや汚れが気になってしまうタイプだった。


小さい頃から箒をはじめとした掃除用具をつくるのが大好きだった。


村で掃除夫をしていた。なんでも掃除していた。


白いエプロンをつけて毎日掃除していた。天職だった。


オレは毎日毎日徹底的に掃除をした。


村はぴかぴかになった。


畑には害虫も雑草もなく、水路にはゴミひとつ浮かばず、家の壁は真っ白で道にはちりひとつなかった。


掃除を終えた後、おひさまのにおいのするベッドでの昼寝は最高だった。



いつも掃除ばかりしているオレはもてなかったが、田舎の女はロクに風呂にも入らないんでどうでもよかった。


というか、女も男もどうしてあんなに汚れて平気なのかわからない。


きれいになった村の中で、男と女だけがきたなかった。


きれいにしようとしたら、女は悲鳴をあげ、男は憎しみのこもった目でオレを見る。



わけがわからない。



そうしたら、なぜか、18歳のとき神殿で認定されて、勇者マジック・リンになった。


神殿はあちこち汚れがあったので、白いエプロンをつけて自作の道具ですみずみまできれいしていたら、軽蔑の目で見られた。


慣れているのでなんとも思わなかった。


しつこい汚れを落としていないうちに、王宮に呼ばれてしまった。


王宮でさえあちこちの隅が汚れていて気になったが掃除する間もなく王様の前に呼ばれた。



王様から勇者の剣と鎧をもらった。



魔王討伐の旅に出た。


王宮を掃除できなかったことが心残りだった。


勇者の剣よりも自作の箒のほうが強いので、剣はバラバラにしてゴミ箱に捨てた。


鎧も重くて掃除の邪魔なので捨てて、いつもの白いエプロンを身に着けた。


聖女と王女とやらをつけられた。


足手まといだった。


だが生まれ故郷の村の女と違ってきれいだった。


誘惑して来たんで、きれいで清潔な女としたらどんな感じなのかと思ってSEXした。



身体だけはよかった。



最初のうちはきれいだったが、旅が進むと、だんだん汚くなってきた。


きれいにしようとしたが、きもちわるいと抵抗されたので、面倒になった。


もともと、足手まといだったんで途中で捨てて、さっさと魔王城へいった。


道中もきれいにしつつ進むと、大きなベッドで魔王は寝ていた。



白いシーツがぴかぴかの、清潔ないいベッドだ。



部屋をきれいに掃除してから魔王を起こした。


魔王をきれいに消した。


魔王は、しつこい汚れより弱かった。



魔王城はいろいろ汚かったので、すみずみまできれいにして、残りの魔物もみんなきれいにしてから帰った。



王都へ帰ったら、勇者の剣と鎧と王女と聖女を捨てたという罪で捕まった。


分別ゴミにするべきだったのだ。


別の男が勇者になっていた。オレは偽勇者マジック・リンになった。


牢屋は汚れていたので、せっせときれいにしていたら処刑の日になった。



処刑された。



勇者なので死ななかった。



処刑台の周りは血まみれだったので、呼んだら飛んできてくれた相棒できれいにしていたら邪魔された。


王様をきれいに消した。


王女も、聖女も、勇者と名乗った男もきれいに消した。


掃除の邪魔をしてくる奴らみんな、きれいに消した。


血や臓物ですごく汚れたのできれいにした。



邪魔する者がいなくなったので王宮を隅々まで掃除して、王都を掃除していたら。


気付くと白いエプロンをして箒をもった魔王マジック・リンになっていた。



なるほど。



魔王にはこうやってなるのか。


そのうち、別の勇者にオレは討たれるのだろう。



眠くなってきた。



あのきれいなベッドで寝たらきもちよかろう。


だけどその前に、せっかくの魔王の力なので、世界を掃除することにした。


オレの愛する箒を大量にコピーして、世界中にばらまいて自動掃除させた。


コピーの箒では手に負えないしつこい汚れは、オレが出向いてきれいにした。



世界の隅から隅まで徹底的に丁寧にきれいにしたら、世界には誰もいなくなっていた。



神様が降りて来た。


なんかオレが、世界のサイクルを壊したとかわめきだした。


神様をきれいに消した。



世界はすっきりしたので、オレは魔王城に行って昼寝をした。



予想した通り、清潔で素晴らしいベッドだった。



起きたら朝一で、掃除をしよう。


たくさんの作品の中から、本作をお読みいただきありがとうございました。


最後までお付き合いいただけたこと、とても嬉しく思います。


少しでも心に残るものがあったり、何かを感じていただけたなら、


評価や感想をいただけるととても励みになります。


別の物語も書いておりますので、もしよろしければ、そちらも覗いてみてください。


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