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勇者に転生したけど理不尽だ  作者: 甘味好き
〜勇者と聖女の旅立ち〜チュートリアル編
7/17

経験者、理不尽との遭遇




【凍慈がパーティーに加入しました】とテロップ。


ステータスを開くと

凍慈、18歳。身長180センチ、レベル10、職業弓兵。

覚えている技、盗み(単体)、範囲撃ち(範囲)、急所狙い(単体)

装備・木の弓(攻撃力5)

頭具・バンダナ(防御力2)

胴具・布の靴(防御力2)


「レベル高い……、、え?盗みってなに?犯罪者?」


「なんでや。そういうスキルや。モンスターとかからアイテム貰うんや」


「でも盗むんだろ?モンスターから盗み働いて良いってのも変じゃないか?」


「変ちゃうわ。この手のゲームじゃ、盗みスキル持ちなんかめちゃくちゃ重宝キャラやぞ」


この人は一体何を言っているんだ……。

モンスターだって襲ってくるから倒してはいるけれど、持っている物までカツアゲの如く取り上げるなんて酷い話だ。


「…アカン。頭痛が……、、ちょい待て」


「?」


「今レベルなんぼや?」


「え?5になった所だけど」


ステータス画面を見せると、凍慈の顔がひきつる。


「なんでレベル上げしてへんねん…」


「レベル…上げ…?」


ちゃんとレベルは5に上がっていると今言ったところなのに、「レベル上げ」とは…??


「当たり前やー!このあとボス戦や!!」


ボス?なんだか不穏な単語だけど一旦スルーしよう…。


「え?でもストーリー通りに進めてレベルも上がってるけど」


ガックリとその場にうなだれてしゃがみこむ。

え?俺今変なこと言った??


「これがやった事ないやつの発想かっっ…!女神ももう少し人選あったやろ!!」


「うん。それはそう」


そこからは再び森の中を移動開始し、森の出口へと歩いて行く。

なぜか横路やら関係ない道を進んで行く凍慈。

追われてること忘れているのだろうか?

無駄にモンスターと戦闘になるし、凍慈はやたら盗みを連発しているし…。


「なんで、、宝箱スルーやねん」


行き止まりにある、あからさまに置かれている宝箱。

部屋にあったのと似ているけれど…。

踵を返したシゲの肩がガシッと掴まれていた。


「えっ?だって俺のじゃないし」


「……どあほ!今すぐ開けろ!!待て待て待て。これルビーの森の宝箱絶対取ってへんやん!!」


「取らないとダメだった?」


アリアが「あっ、そう言えば…」と声を上げる。


「あかん、ハゲる自信ある!!」


宝箱の中からは何に使うのかわからないアイテムが出て消える。

アイテムボックスとかいう所に入るらしいのだけど、、この機能は素晴らしい。原理は気になるけど。



****勇者シゲ****


「?」


このタイミング?特に何もないけど…。と、辺りを見渡すと不自然に円形に光る地面が…。


****セーブポイントです***


「セーブポイント…」


****貴方には、、不要でした****


え?待って、不要ってなに?セーブポイントって?

いや、流石にわかるよ、データ残す的なのな、不要??


****隣の女神像を触って下さい****


場違い感半端ない、謎の金の女神は確かに気にはなっていたけど…。


あの金ぴかの像?女神像っていうの?


「お、女神像やん。ほんならこのあたりやな」


恐る恐る触ると、【HP MPが全回復しました】のテロップが。


「ほな、レベル上げすんで」


「え!?」


「ええか、このゲームの最初のボス戦は基本的に10前後はレベルないと厳しいんや。全回復出来るポイント周りでレベル上げんのがセオリーや」


そこからは周りをぐるぐると歩いてはゴブリン・スライムなどとの戦闘を繰り返しての作業感溢れるレベル上げへ。

ただ、そういう作業だと思えば苦にならないかも知れない。


「…職場で無駄な事させられてた事に比べたら、まだこっちの方は自分の為になるしな」


と、謎のポジティブを発揮してようやくレベルが10に。

レベル10記念ボーナス、全てのステータス+2の表示が出て、ちょっとウキウキで画面を開く。

次のレベルアップから振り分けスキルが5~10に上昇します、の文字も。


「5~10って幅ありすぎだろ…。下限上限が倍は酷くないか…」


「あー、それな。分け量はMAX固定やから気にせんでええで。どっちかと言うと…って…」


つまり、わかりやすく言うと振り分けられる数は100に決まっている、みたいな感じか?

ならそこまで気に…いやでも序盤少ないのもなぁ…。


「…スキルとジョブポイント振ってへんのかいっ」


「だって、何に使うかわかんないし…」


「ジョブみして」


スキルツリーを確認するシゲがまたしても頭を抱える。


「とりあえず、今後はぶんまわしと強打しかつこうたらアカンで、わかったな」


「………えぇ」


見たらわかるやろーと溜め息をはきながら、ゆっくりと画面のぶんまわしと強打を指差す。


「スキルに数字書いとるやろ?」


「使用回数?」


「せや」


「それがどうかしたの?」


「このゲームのジョブスキルは進化型や。初期技は100回で次の技に進化する。俺が盗み連発してんのはそういう事や。何か響きイヤやな…」


謎の声よ…、、そういうのだろ、最初に教えなきゃいけないの。


そのままレベル画面のステータスを見て、(+28)を見つめる。


シゲ、レベル10(+28)

HP 163 (+63)

MP 33 (+13)

物理攻撃力 13(+9)

物理防御力 15(+11)

魔力攻撃力 11(+9)

魔力防御力 11(+9)

速さ 13(+9)

技術 12(+9)

幸運 7 (+5)



「幸運ひっくぅ……」


「………うっ」


確かに10レベル上がるなかで、3しか上がらなかったけど……。


「その+28、幸運にぶちこめ」


「えっ!?」


「この幸運の数値、宝箱の出現率とレアアイテム出現率に直結するんや。全部は言い過ぎやと思うやろ?このゲームのあるあるやねんけど、ランダムで上がりやすいのは決まってまうねん」


だから最初基本的にはリセマラするんやけどな、と呟く。

リセマラ?なんだそれ……と思いつつ。

ランダム要素入れといてランダムじゃないとか理不尽過ぎないか……。


「ま、他も上げんとボス大変やし。こんな感じやな」


シゲ、レベル10

HP 165 (+65)

MP 35 (+15)

物理攻撃力 15(+11)

物理防御力 17(+13)

魔力攻撃力 12(+10)

魔力防御力 12(+10)

速さ 15(+11)

技術 15(+12)

幸運 20(+18)


パパっとパネルを操作して、あっという間に割り振り終了。


口はまぁあれだけど。

色々とアドバイス貰えて助かったなーと思ってお礼を言おうと振り返った瞬間。


「ほな、ボスやるで」


凍慈がにこやかにどこかに弓を放った瞬間だった。


「ゴガァァァ!!!」


クソでかいゴブリンがこん棒ぶんぶんしながら現れる。


【森の主ゴブリン!】なんてテロップと静止画付きだが…



ちょっと待って、心の準備まだなんだけど……。






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