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2.キャラクターへの愛情
カリスタはア・イチを愛していた。
そうでも無ければ、戦闘特化型の従魔を使い続ける意味は無かったからだ。「ECLIPSE of the THREE REALMS」において、上位プレイヤーともなればパーティを組むなり、ソロで挑むにしろ、従魔に頼らずとも戦闘は効率よく出来る。
逆に時間がかかる製産、採集などのサポートの方に回した方が、時間対効果が良いとされた。
そのため、上位プレイヤーのほとんどは戦闘特化型の従魔を削除し、空いた枠に新たな従魔を作成する。それが一般的であった。
それでもカリスタは戦闘特化型の従魔ア・イチをそばに置き、使い続けた。
いや、それはカリスタとしてではなく、「魔王カリスタ転生戦記」の主人公が愛していたのだろう。




