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第5いいよ! 春に部活は無理です…!引っ込み思案な先輩登場!~読書と執筆編1~

 (はる)は目立ちたくないです……

 小さい時から前に出たり発言したりが苦手で皆に馬鹿にされてると思ってしまい前に出れない……

 高校生になったら変われるかもと思ってたけど相変わらず内気で友達もいるのかわからない……

 でも大学や社会へ出たら変われるかも……また次へ次へと期待していまい今を変えられない……


 そうして今は高校2年生、周りは何故か騒がしく教室の自分の席で本を読んで皆の話しに聞き耳をたてた所、今は部活が廃部になりそうになっており部員を集めるか顧問を探さないと行けないみたいな状況になっているそう……

 もしかしたら私の元にも話しが来るかもと本を読んで内心ドキドキしていたけど春の元には誰も来ない……私忘れられてる……?

 そりゃ前髪も目元が隠れるくらい伸ばして目立たないようにしてるけどあんまりだよ……


 そうして何日かたった頃、隣のクラスの深緑さんと1年生が私の元に来て話しかけてきた……

花ノ木(はなのき)さんって何か部活入ってる?入ってなかったら見学だけでもいいから来て欲しいな」

 深緑さんの言葉に返答しようとするが最近家族以外と話していなかったので上手く喋れずにいると1年生の子が「楽しくて自由ですよ~」と言っていた。

「あっ……その……えっと……考えて……おきます……」

 本で顔を隠してやっと出た声で答えた……

 2人は「興味あったら何時でもいいから来てね!」と去っていった……


「私が……部活に……」

 自宅へ戻り勉強机に向かいながら独り言を呟いた……これは自分を変えるチャンスなのかな……こんな私でも受け入れてくれるの……?

 軽く調べたけど深緑さんが所属してる部活は今年出来たばかりで趣味を共有していく部活なのはわかったが春の趣味って引かれそう……馬鹿にされそう……

 そう思うと前に進めなくなる……頭の中に天使の春と悪魔の春が出て来た……

「これは変わるチャンスです!前から変わろうとしてたんでしょ?ほら、明日深緑さんのところ行こう!」

 天使さん……そう言うなら……

「いやいやお前なんて誰が認めるかよ!陰キャで友達もいない、趣味も読書とか笑えるぜ!漫画もオタクっぽいし否定されるだけだ!やめとけ、やめとけ!」

 悪魔さん……そうだよね、春のことなんて誰も……誰も……


 そう考えていると気が付けば6月、深緑さんが声を掛けてくれて数週間は経っていただろうか……

 相変わらず春から声もかけられなくて、噂によると顧問が決まって趣味活動部は存続したそうだしもういいよね……

 そう思っているとまたあの2人が教室に入ってきて私の前に立っている……もしかして見学行かなかったの怒ってる……?

「花ノ木さん無理やり誘うような事してごめんね、私達あの時焦ってて……でも新しい部員が増えるの嬉しいし改めて誘いに来たんだけど、嫌?」

「あっ……あの……部活、存続決まったし……私……その……いらないんじゃ……?」

「何言っとるんです、花ノ木先輩の事始めて声掛けてから結構見てましたけど読書ずっとしてて、あんなに集中して読めるなんて凄いな~思っとったんです。その趣味、ウチらと共有してみませんか?」

 こんな春でもいいの……春の事見ててくれるなんて良い人達……悪魔君、ごめんね……私は軽く頷いた……


「えーっ、本日見学者が来てくれました。2年生の花ノ木(はなのき)(はる)さんです、皆拍手!」

 深緑さんがそう言うと皆拍手していた……私は金井先生の向かい側へ座るよう言われた……

「早速やけど春先輩の趣味は読書みたいなんやけど、普段は何読んどるんです?」

「えっ……と……色々読むけど普段はミステリー物が多いかな。色んなエピソードがあって最後にその点と線が繋がって大どんでん返しみたいなのが好きで他にも恋愛物も好きだし日常系も大好きであとは……あっ……すいません……」

 好きな話題になって早口で話してしまった……引かれたよね……

「凄いです!私文字読むの苦手で、漫画とかはよく読むんですけどねー……漫画とかも読みます?」

 部長さんがフォローしてくれた……褒めてくれたし……部活さん好き……

「読みます、えっと……最近だと"恋泥棒に盗まれたい"とか……」

 そう言うと皆反応してくれた……

「あーアタシも最初だけだけど読んだなー、確かイケメンの大泥棒が盗みに入った王国のお姫様に惚れられるって話だったよな?」

「せやね~大泥棒が毎回キュンとするセリフ吐くんよな~」

「そうそう!【私に盗まれぬよう鍵をおかけください……心の、ね。】にはキュンとしたなぁ」

「そのような漫画が流行っているのですね。(わたくし)勉強不足ゆえ……帰ってみたら読んでみますので花ノ木さん、良ければ本を売っているオススメの場所を紹介して頂けたらなと……」

 先生まで私の趣味を否定しないで聞いてくれる……皆、好き……

「私も読んだことなかったなぁ……ね、もっとオススメのやつ教えてください!」

 部活さんがまた言ってくれる……私も楽しくなり沢山話した……


 気が付いたらもう部活を活動していい時間のリミットがせまっていた……

 今日は凄く楽しかった……また、こんな風に……皆と……

 深緑さんが私に今日はどうだったか聞いてきて皆の視線が集まる……

「えっと……楽しかった……です……春みたいな……のでよければ……その……この部活に入りたいです……」

 一瞬の沈黙……その後歓声と拍手が鳴った……

「はるるん先輩って呼んでええですか?」

「よろしくお願いします先輩!」

「強引に誘ってしまったと思ってたんだけど良かった、よろしくね!」

「これからも末永く……」

 みんなの言葉を聞いて何故か涙が溢れた……


 何か行動するには一歩踏み出す必要がある。

 その一歩目は凄く踏み出すのに勇気が必要だったり怖くて前に出れない時もあるだろう。

 でも大丈夫、一歩前に出てから物事を考えて行けばいいのだ。

 春だけじゃなくて……今は皆も居てくれるから。

本日の趣味について花ノ木 春さんからメッセージがありました。

【小説だと絵がなくて退屈そうに思えますが場面を想像して読む事も楽しみのひとつだと思います…

漫画やアニメだけでなく、たまには小説も読んでみましょう…私は本屋大賞の本を読んで3回感動して泣きました…】

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