第3いいよ! 主食は米からパンへ!?美味しいパンを食べまくろう!~パン屋巡り編~
部員が3人になっても"ゆるーい"時間が続く。
英玲奈が部活へ入ってくれて趣味活動部は3人になり互いの趣味の話だけでなく最近何があったとかを共有していた。
梓のYutterには【ナノビーズ難しい!またバラバラなっちゃった~(涙)】とツブヤキがあってコツを英玲奈に聞いていた。
ふと小腹がすいて持参していたパンの封を開けて頬張っていると2人から視線を感じる。
「ちーそれおいしそうやなぁ……」
「これ小さい時から食べてるやつで長くて少し甘いカスタードが入ってるやつなんだけど安くてオススメだぞ」
「パンかー……ちなみちゃんがパン食べてるの見てたらお腹すいてきちゃったなー……そうだ!これからパン屋巡りしない?」
"部長"である梓から提案があった(アタシはいつの間にか副部長にされていた……)。
学校の近くには三軒パン屋がある。
まず徒歩数秒の店頭に並べてあるだけの小さな所、最寄りの鴻巣駅中にある場所、そして駅や学校と逆方向で少し歩くが梓の家の近くにあるイートインがある大きめのパン屋がある。
そのパンを食べ比べてみようとの事でアタシももっと食べたくなっていたし英玲奈もテンションが上がっているのがわかったので急いで下校し制服のままパン屋巡りをする事に。
最初は学校近くのパン屋へ。
ここは古くからやっており、値段もリーズナブルで学生がよく学校帰りに立ち寄る事も多くラインナップも焼きそばパンやコロッケを挟んだ物など若者向けだ。
アタシはカレーパン、英玲奈は焼きそばパン、梓は甘党なのでメロンパンを買って近くの公園で食べる事にした。
包みから出すときつね色した姿がなんとも食欲をそそり一口頬張る。
口の中で人参やお肉の味が広がりスパイスも効いていて少しピリ辛な感じがクセになる……気が付けばあっという間に完食し2人のはどうだったか聞いてみた。
「ウチのは美味しかったけど、コッペパンが少しパサついてて口の中の水分もってかれたわ~……」
「私も美味しかった!」
梓の意見は参考にならなそうなので次の駅まで歩き始めた。
徒歩数十分で駅に到着した。
駅中にあるパン屋はガラス張りで外から様子が見れてフラッと立ち寄ってしまうような魅力のある店だった。
アタシ達はトングとトレーを手にすると、英玲奈は戦士みたいにトレーを盾にトングを剣に見立てているし、梓はトングをカチカチとならしてカニの爪みたいにしているので少し呆れてしまい距離を置こうとそそくさと傍を離れることにした。
ここのイートインコーナーは少し離れた所で他のお店のメニューもそこで食べるように設定されている広めの所だった。
今回は同じ物を食べようと思い、3人でフランスパン1つをシェアした。
席につき実食、外側のクラストは固く中のクラムはシットリとして咀嚼するのに時間がかかるが噛めば噛むほど口の中に小麦特有の甘さや風味が広がる。
食べ終わる頃には顎が少し痛くなっていたがそれもフランスパンを食べる喜びのひとつだと個人的に思っている。
以下、彼女らの感想である。
「ウチフランスパン食べたこと無かったんやけど美味しいな~。
目立った味とかせえへんのやけどほんのり甘いのとここの切れ込み?みたいな食感クセになるわ~」
「美味しかった!」
1人語彙力が乏しくまたも何の参考にもならない。
三軒目は駅からだと少し遠い。
ローファーだからまだ歩きやすいがサンダルとかで来たら靴擦れを起こしていそうだ。
梓の家で少し休憩してから目的のパン屋へついた。
梓は何回か来ているみたいだが、アタシは始めてくる場所で二階建てのレンガ風の外装がオシャレで窓から見える中の様子も西洋を思わせる内装で凄く素敵だ。
早速中へ入りトングとトレーを手にした。
「私はトング魔人だ、英玲奈ちゃんかかってこいー!」
「でたなトング魔人!この伝説のトングソードと鉄壁のトレーで攻撃を防いで倒してまうで~!」
彼女らを見ていたら2人からこちらに期待をした視線が来た、アタシはやらんぞ!
無事会計を済ませ二階のイートインコーナーのテーブル席へ座り各自買ったものを食べる事に。
私はメロンパンを購入、サクサクとした食感とパンの柔らかさが合わさる、そしてこの甘さ……カレーパンも買っていたのでそちらも食す。
これは辛くなくクセのないカレーだ、食材がゴロッと入っているのが特徴で食べ応えがある。
そしてメロンパンを……またカレーパンと交互に食べてしまう、甘い物を食べるとこうなるのはアタシだけなのだろうか?
英玲奈はコッペパンを食べていて、先の方から食べているのは後でチョコの味をたっぷり味わいたいからだと熱弁していた。
食べ終わった後に下へまた行っておかわりしていたほど美味しかったそうだ。
梓はクロワッサンを食べていたがコイツから感想を聞いても参考にならないが、見た目だけで美味しそうなのは伝わった。
3人とも食べ終わり食後のドリンクを飲んでいると胸が大きい女性の店員さんに話しかけられた。
「梓じゃん、毎度どうもねー」
「風花先輩お邪魔してます!ここのパン凄い美味しくて私大好きです!」
「良かったー……その子達はお友達?」
アタシ達は軽く自己紹介をして梓がその店員さんが誰なのか教えてくれた。
深緑 風花先輩はアタシ達の一個上の高校2年生でここでバイトをしていると言う。
ちょいちょい寄る梓とはここで知り合い学校外でも遊ぶ仲になったそうだ。
風花先輩に今日は部活動としてパン屋巡りをしていると英玲奈が伝えると「面白そう」と食いついてきたのを梓は見逃さなかった。
「ねー、前に風花先輩バイトしてて本格的な部活入れないって言ってたから私達の部どうでしょう?
一緒に趣味見つけて共有するの、楽しいですよ!」
「うーん、バイト一本でいるつもりだったけど……いいよ、私も入るよ。
バイトであんま顔出せなくてもいいならね!」
気が付くと、うんうんと3人で同時に頷いていた。
こうして深緑 風花先輩がしゅーかつ部へ……
帰りに梓の家の前で集まって今日のまとめをしていた。
3人とも風花先輩が働いているパン屋【パン工房イースト】を1位にしてYutterのイーストの公式アカウントでのツブヤキに星マークをつけた。
自宅から遠いけどまた来よう、英玲奈もそう言ってたし今度は何食べてみようか……
アタシ達のYutterの趣味に"パン屋巡り"が追加された。
本日の趣味について深緑 風花からメッセージがありました。
【パンは色々種類があるけどいつも食べるのは固定になってしまうことあるよね。
そんな時は冒険してみよう!おすすめはレーズンパンだよ!】