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王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第四章 電蔵と役目

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救世のメスと破滅のオス

「……あいつが、オマエの母親……? オマエより若くねえ?」

 友青がビックリしたのは、電蔵の母親である王様の姿。

「お前さんの知ってる母親とは違うかもしれんな」

「何語だ? 日本語か。お主の後ろにいるちっこいのが、ショタか?」

「多分」

 電蔵が曖昧な返事をする。王様は友青を見てしかめっ面になった。

「……わしの思っていたのと違う……可愛くない」

「そうだな。オレもそう思う。まるで可愛げがない」

 二人は目線を合わせてうんうんと頷いている。意気投合。電蔵と王様にしては珍しく、意見が合致している。それぐらい友青には可愛げがない。

「なんだよ。何二人して頷き合ってんだよ。気色悪いぞ、オマエら」

「おまけにオレたちの悪口まで言っている。気色悪いとさ」

「気色悪い? こんな美貌を持った百余歳のメスを前にして、気色悪い? なんじゃ、そのわっぱは。可愛げがないばかりか、打ち首の刑にされたいらしい!」

「それだけで打ち首というのも、どうかと思うが……。人間の真似事か?」

 電蔵は冷や汗をかく。友青の首が飛ぶのを想像したのだろう。

「冗談じゃ。わしも電蔵みたいに冗談を言うようになったぞ?」

「救世のメスの冗談は、笑えない冗談だが」

「確かに…………きゅうせいのメスってなんだ?」

「話せば長くなる」

「俺やっぱ、いらないんじゃねえか」

 電蔵たちだけで会話が進んでいる。友青には完全にアウェーだった。

「まあそう言うな。お前さんを連れてくる仕事は終わったんだ」

「なら俺もう帰っていい? つまんねえんだけど」

 友青がぶすくれた顔でペッと唾を吐き捨てる。それを見ていた王様がわなわなと震え出した。信じられないといった表情で、怒髪天どはつてんをついた。

「もっと可愛いショタを連れてこい電蔵!」

「もう日本には戻らないぞ。オレは覚悟を決めたんだ」

 電蔵の真剣な眼差しに、王様は言葉を失う。

 覚悟を決めて、めいを全うすることを選んだ電蔵。それをまだ受け入れられない王様。

 電蔵と王様の二つの思いは、やがて世界を救うことになるのだろうか……。

「諦めて電蔵を始末しろ、救世のメス」

「…………そんなの、わしにはできん!」

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