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王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第四章 電蔵と役目

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愛くるしい生物の雷貴と対面する電蔵

「なら、なればいいじゃねえかよ。俺に友達作れってうるさいくせに、自分は友達作らないのかよ。見本見せろよ」

「……そうだな」

「さっきっから同じ返事ばっかじゃねえか」

 電蔵が返事をしてもうわの空だと友青は指摘する。

 電蔵は力なく笑い、力なく告げた。

「……なんでだろうな。オレもよくわからん」

 頭を押さえ、電蔵は思い悩む。息子の一人が、重々しい口を開く。

「……お前には悪いことしか言ってこなかった。だけど今は……」

「わかり合える、か?」

「ああ……」

「わかり合ったら最後って、悲しいな」

「折角わかり合えたのに……お前と友達になれると思ったのに……な」

「オレが消えても、お前さんたちが忘れても……オレは忘れない。未来のオレに託す。お前さんたちの、その言葉。…………きっと……」

 電蔵は悲しげな笑みを浮かべ、手をそっと差し出し握手を求めた。相手が握り返す。

「……俺たちは忘れるだろうな。自分たちで言っておいて、無責任なことだよ。でもお前と会えたこと、感謝してる。俺たちに色々教えてくれて、ありがとうな」

「ああ。オレも感謝している。ありがとう」

 電蔵は微笑んで、息子たちと別れた。王室に行く前に、友青が電蔵に尋ねた。

「……何話してたんだよ」

「お前さんには秘密だ」

「なんだよ。言えよ。折角ついてきてやってんのに」

「そういう言い方はよくないぞって何度教えたら気がすむんだ」

「……悪かったよ」

 電蔵はニコと笑って、友青を王室に案内した。ノックもせずに、電蔵が先に入った。後ろを友青がついていく。感想は特になし。いつになく無愛想な面をしている。

「王様。いるか?」

「電蔵か」

 王様の座る玉座の肘掛に居座っている生物がいた。消え入りそうな真っ白い生物。

 電蔵は雷貴を指差して王様に問うた。

「……? そいつは?」

「お主の前世みたいなもんじゃ」

「オレの前世? そいつが、か?」

「そいつとはなんだ。我に対して失敬だ。我の化身よ」

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