表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第四章 電蔵と役目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/104

破滅のオス

「ちょっとブラックスフィアに帰ろうと思ってな。お前さんも来い」

「嫌に決まってんだろ。二度と日本に帰れなくなるのは嫌なんだ。俺は日本を出るつもりねえから。オマエ一人で行けよ」

「……そういうわけにもいかん……まあいい。お前さんを連行する」

「はあ? 連行とか、ふざけてんのか?」

「文句は後でたっぷり聞いてやる。だから今はとりあえず……王様に会うぞ」

 電蔵は友青の胸倉を掴んで、引きずる。友青が暴れても電蔵は聞く耳を持たなかった。

「人さらい!」

「あーあー。聞こえないなー。オレはやることやってるだけだからなァ。文句なら王様に言ってくれー。さあ出るぞ、日本を! 王様の息子の帰還だ!」

 電蔵はキラキラした目でヨーロッパの方を見据えた。ずっと帰りたかったあの場所に、やっと帰れるのだ。目的を果たして達成感でいっぱいになっている。いい表情をしている。

 友青をいじめているからかもしれないが。

「……どっかの映画でも観たのか?」


 カードで通信を開始。庄時と王様によって、ブラックスフィアにワープする予定だったのだが、庄時の消息が不明らしい。電蔵は原因が何かを王様に訊いた。

『……もしかしたら、庄時は時空の狭間にいるのやもしれん』

「……だったらどうすればいい? オレはブラックスフィアに帰れないってことか?」

『お主は帰れる。わしの力があれば、お主を呼び戻すことは可能じゃ。だが、庄時が……もし、あやつが死んでおれば……わしはどう責任を取ればいいか……』

 通信をする王様が弱さを見せた。電蔵にはいつも気丈きじょうに振る舞っていた、あの王様が。

「……何か、したのか」

『……ブラックスフィアの秘密を知ろうと思って、過去に行った。電蔵。お主のことも、わかったぞ……お主が生まれた理由……』

「……なんなんだ?」

 電蔵が耳を澄まして聞き返すと、王様が吐くように呟いた。

『お主は……っ』


『ブラックスフィアを滅ぼすために生まれてきた……破滅のオス……!』


「破滅……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ