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王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第四章 電蔵と役目

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小学生男子の遊び

 そう、久三の家に招いたのだ。

「よし、これで任務達成だ! やったぞ、久爺さん!」

 電蔵が天を仰いでガッツポーズを取った。対する友青は舌打ちの連続。舌打ちのプロのように、丁寧に一回一回舌を打ち鳴らしている。音楽家も夢じゃない。当然、舌打ちの。

 電蔵と友青、彼らのテンションは雲泥の差だ。

「そんなに喜ばれるとムカつく」

「お前さんも喜べ! 離れ離れになったジジイとクソガキが対面するなんて、滅多に見られないことだ! ほら、泣け。泣かないと青春っぽくないだろう! 泣けよ、少年!」

 電蔵が急に熱くなったのについていけないのか、友青はごろんと寝転がる。

「人に泣けって言われて泣けんのは、役者だけだってーの」

「青春というのは、泣くものだと聞いたが? お前さん、青春したくないのか?」

 足の爪先つまさきで友青の肛門を刺激した。友青がとんでもない声を上げる。猫も毛を逆立たたせるほどの絶叫。大音量で、悪戯をした電蔵も耳をふさいだ。

「おおおおオマエ、何すんだよ!」

「何って、ケツをこっちに向けるからだろうが。浣腸してくれと言わんばかりに」

「クソガキはオマエだろ! 他人のケツに足の指なんか突っ込むなよ、汚えな!」

「大丈夫だ。オレに水虫はない」

「そういう問題じゃねえ!」

 必死に訴える友青の話を、電蔵は適当に受け流している。興味なさげに耳の穴までほじくって、耳くそを息でふっと吹き飛ばしている。

「他人の家に呼ばれたからって、自由にくつろいでいいわけじゃないんだぞ?」

「……ぐ」

「さて、ここで少年に問題だ。たとえ友達でも触れてはならないものがある。それをなんと言う?」

「地雷」

 それは踏んではならないものだ。

「秘め事だ」

「わざわざ難しく言うなよ!」

「そこらへんに転がっているものを、勝手に触ったりしてはいけないんだぞ。勝手に寝てもいけない。ケツを向けるなんて最低だ。せめて一言ぐらい断りを入れなくちゃな。ケツを向けてもいいかと訊け。訊かなければ、そのケツはオレが駆逐くちくする」

「うるせえなあ。わかったよ。小言は嫌いだぜ」

「言われる方が悪いんだ」

「……ああ言えばこう言う……」

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