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王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第四章 電蔵と役目

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嫌われ者の友青


 電蔵が日本に来てから早一週間が経った。友青には電蔵を除いて友達が一人もできない。

 友青がどれだけ譲歩’(じょうほ)しても、相手が近づくのをこばんでいる。そこまで嫌われる理由はなんなのかと電蔵が問いただしても、友青は答えなかった。

「俺のことが嫌いなんだろ。あれだよ、生理的に無理っていうやつ」

「……自分で言ってて、悲しくならないのか?」

「すげえ悲しくなる」

「だろう。やはり、見た目から変わるべきか?」

 電蔵が上から下まで友青の姿を見た。厳しい表情だ。電蔵のように小奇麗な格好ではなく、だらしなく小汚い格好をしているので、目の色も変わるだろう。

 友青は目を細めた。見定められて不快な思いをしている。

「髪、整えてみろ」

「癖毛なんだよ」

「見た目は大事だぞ。これはどこに行ってもそうだと思うんだが」

「……家が貧乏」

「それは嘘だな。家が貧乏なら、貧乏なりに工夫できるだろう」

「そんなことができるやつらは、限られた貧乏なんだよ」

 電蔵の目が輝いている。ちょっとカッコイイと思っている目だ。

「そんなの、初めて聞いたぞ。お前さんが作ったのか?」

「貧乏でも工夫すんのが苦手な貧乏だっているんだよ。あんまり訊くなよ、ボンボン」

「だから、ボンボンというのは、なんなんだ。髪をくくるものか?」

「金持ちだろ。俺は一回しか言ってねえけど」

「ああ。久爺さんがな……」

「キュウ爺さん?」

「ああ。久三と言う名の爺さんだ。お前さん、知ってるよな」

「……」

「会ってもらってもいいか?」

「嫌だね」

「連れていくと約束したばかりなんだが。なァ、頼むから来てくれ」

「なんでオマエの頼みなんか」

 電蔵が友青を指差した。

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