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王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第三章 王様とブラックスフィア

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玉座から動ける、この時代の王様

 電蔵によく似た顔の王様が、顔をゆがめて苛立っている。

いやしい自分たちのことを魔天種などとほざく。挙句に我らオスを魔種だと? 力も身分もないくせに、口だけは一人前なやつらだな』

おおせの通り』

『なら、どうする。お前たちはどうしたい?』

根絶ねだやしにしたい』

 王城の者が、火のついた目で電蔵似の王様に宣言した。

『よし。許可しよう。メスどもを皆殺しにしろ』

 電蔵似の王様が、バッと手をかざした。不敵な笑みを浮かべている。

 庄時は戸惑いを覚えつつも、彼らに口出しできない。衝撃の事実に目をそむけられない。

「内紛……? そんな時代があったとは……」

『はっ! 仰せのままに!』

 きちんとした敬語ではないものの、敬意の感じられる言葉遣い。この時代は王様を崇高すうこうな者としていたのだろうか。

『ゲームをしようか……そうだな、ゲームなら殺し合いも柔らかく聞こえる……』

 邪悪な笑みを浮かべ、電蔵似の王様は呟く。

『ゲーム……か』

「お前、一体なんていう名前なんだよ……」

 電蔵似の王様が、立ち上がる。ファーのついた赤いコートをバッとひるがえし、ツカツカと歩いていく。憎々しげに睨みつける庄時を無視して。

『さて、戦争だ……』

 ドアに向かって歩いてくる。庄時は思わず、後退した。

「な、なんで動ける……」

 庄時がうろたえていても、電蔵似の王様はすり抜けていった。ドアを開き、出ていく。

「王様は玉座から一歩も動けないはずじゃ……」

 まさか、今の王様であるムューユ・パルヒャネラは玉座から動けるのだろうか。だとしたら、何故玉座から一歩も動かない。周りの者を使うようになったのか。

 庄時は固唾かたずを呑んで、電蔵似の王様の後をつけた。


 城内の者の話を聞いていれば、電蔵似の王様の名が判明した。ライキというらしい。

 電蔵に似ていることからライは雷と推測した。キが何かは庄時にはわからなかった。性格から考えれば、雷鬼だろうと思っていた。

「ブラックスフィアのこと、何かわかるのか……?」

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