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王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第三章 王様とブラックスフィア

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離れていても心はずっと傍にある

「俺たちを導く存在でありながら、そんな仕打ち、していいのか? 俺が電蔵だったら、王様のこと許さないぞ。憎くて殺しにいくかもしれない」

「それはやりすぎだ」

「好きなやつに消えろと言われたようなものだ!」

 庄時は腕を振るって、王様に言い放った。いつになく、熱い気持ちをさらけ出している。

「庄時、お主……!」

「なんだよ」

「いつの間にか立派になったな……」

 王様は感涙している。王様が庄時に叱られているから。

「あの時で懲りたんだよ。電蔵のこと、羨ましがるのはやめようって。みんなと相談もして決めたんだ。あいつのこと、ちゃんと認められるようになろうって、話し合ったんだよ」

「うむうむ……よいことじゃ」

 王様は何度も頷いて庄時の言葉を噛み締めるように、聞き入った。

「だから、もう羨ましくなんかないぞ。俺は俺だ。他の息子もそう言ってた。王様に相応しい魔種になるのは、電蔵じゃなくて俺だって、な。ライバルがいっぱいだ」

「それはいいことじゃないか。皆で切磋琢磨し合えるというのは、素晴らしいことだ」

「ああ……王様が教えてくれたんだ」

「そうだったな。わしが話したからだな」

「……?」

「やはりわしは天才じゃったか」

 王様は目をキラキラさせて、手を組んだ。

「は?」

「いや、薄々感づいていたんじゃよ? 指導者としても、母親としても完璧なこのわし。そして母性溢れる女神様じゃ。好かれて当然じゃな。うむ、もっと褒め称えるがよい」

 むふふと鼻息荒く、王様は自身を褒め称える。

「王様のそんな姿……見たくなかった……」

 庄時ががっくりと肩を落としていると、王様がビシッと指を突き出した。

「それだ! そういうところが、お主たちが側近になれないところだ! 電蔵はなあ、お主たちと違って、文句は言うがわしに幻滅したことなど一度もなかったぞ! やつはわしの一番の理解者だったのだ! まずは、憧れから理解へと考えを改めることじゃ!」

 王様が大声で叫び出したので、庄時は聞き漏らしてしまっていた。目を丸くして、辺りを見回している。

「な、なんだ?」

「何度も言わせるでない。お主たち、電蔵の足元にも及ばんな」

「……っ、だから、すぐに電蔵と比べるのはやめろって!」

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