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王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第二章 落ちこぼれと青春

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電蔵と友青の縁(えにし)

「恥ずかしいやつってなんだよ。べつに一人でもいいじゃねえか」

「お前さんが本当にそう思っているのなら……それは立派なことだが。実際はそうじゃないんだろ。友達欲しいし、青春したいって言ってなかったっけか。それで一匹狼気取りなんて、恥ずかしいに決まっている。周りの人間がオレのレベルに付いてこれないんだとか、オレのレベルが高すぎて理解できないんだとか、思ってるんだろうなァ」

 電蔵が意地の悪い笑みを浮かべて、くし立てた。

「うるせえな。オマエには関係ねえよな。ほっとけよ」

 言い当てられて頭に血が上っている。

「関係ないか。そう言われてしまえばお終いだな。確かにオレには関係ないことだ」

「そうだぜ。だから引っ込んでろ」

「しかしそうもいかない。お前さんを連れていくという使命があるんだ」

 電蔵はそのために色々と慣れないことをしているのだ。当初はお試し程度に言ったつもりだったが、こうも縁があるとあっては、絶対に連れ帰ろうと意気込んでいるのだ。

「どこに」

「そりゃもちろん、オレの国だ」

 電蔵は胸を張って宣言する。誘拐予告だ。犯罪者だと友青が青ざめた。

「オマエ、変態か?」

「変態呼ばわりするな。オレだって、連れていくなら女子おなごの方がよかった。男なんぞに興味は欠片もない。男ばっかりいて、見飽きているんだ。言っておくが、変態なのは、王様の方だ。オレは断じて変態なんかじゃない」

「さっきっから王様、王様って。なんなんだよ、その王様ってのは」

「ムューユ・パルヒャネラという名の女だ」

「女? それなら女王だろ」

「オレの国の王様は女しかなれない。男はみんな、王様に仕えるもんだ」

「女尊男卑の国なんて、聞いたことねえぞ」

「そりゃそうだ。イギリスの王は女子だが、女王と呼ぶのだろう」

 ブラックスフィアは人間に知られてはいけない世界。知っているはずがない。

 友青をブラックスフィアに連れ帰れば、もう二度と日本には戻れないかもしれない。王様の許しが出れば、記憶を全て消去して日本に戻すこともできるが。

 王様が気に入ったら、手放さないだろう。どうなるかは誰にもわからない。

「……どっか遠い国の人間か?」

「まあ、そんなところだ」

「って、なんで俺、オマエにこんなこと訊いてんの」

「オレに言われてもな」

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