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王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第二章 落ちこぼれと青春

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問題の解決

 この年頃のこどもは、自分だけがこんな目に遭っている、と思いがちである。人格が形成されていく段階で、何かにつけてうまくいかないことがあれば、すぐに怒ったり諦めたりする。やる気をなくしてしまう。どうせできない、どうせわからないと投げ出してしまうのだ。

 やる気がなくなったこどもが行きつく先は、バーチャルの世界。現実から目を逸らし、社会から離れていく。果てには、登校拒否もありうる。

 うまくいかないのは、仕方のないことだ。そういう時もある。ただ、うまくいかない時が克明こくめいに記憶されてしまうだけなのだ。冷静に判断できなくなれば、成功を忘れる。

 誰もが通る道……かもしれない。乗り越えるには、他者の力が必要。他者を頼るべきだ。

 しかし意地でも自分一人だけの力でなんとかしようと思い至ることもある。今の友青がそうだ。

 インターネットで調べるのに失敗すれば、今度は本を読む。流し読みをして目に留まったところだけを読み込む。速読の技術に等しい。役に立ちそうな本といえば、色見本の本だけだ。絵で見られるから、わかりやすい。

 ページをめくる手が、休むことはほとんどない。

「色……色……水色、紫色……色的には……」

 文字に指を辿らせ、友青は色見本の本を見ていく。

「色的にはこいつが近いな。ライトスティールブルー。パステルカラーの紫」

 問題が解決したとあって、友青は満足げな表情を見せる。こどもが親に褒められた時のそれに似ている。今現在の状況は全くの別物だが。

 友青は本を閉じて、本棚に片づけた。それから間もなくして、ドアをノックする音があった。ドアが開き、年老いた女性、祖母が顔を覗かせた。

「友ちゃん。何してるの」

 優しげな声が友青を呼ぶ。友青は立ち上がって祖母の元に近寄った。

「ちょっと本読んでた」

「そう。偉いわねえ」

 ニコニコと笑う祖母の顔を見て、友青は少し表情を柔らかくした。

 両親が来ないのにはわけがある。それは友青と祖母がリビングに行けばわかることだ。リビングまで行って、台所で手と顔を石鹸で洗って、うがいをする。祖母も顔を洗った。

 リビングにあるソファに座って、目の前のテーブルに並べられている食事を見た。食事は目玉焼きとトーストだけ。飲み物は一切ないが、一般家庭並の食事ではある。不満はないだろう。

 祖母は向かいの高めの椅子にゆっくりと腰かけた。よいしょと言っている。

「……友ちゃん」

「わかってるよ」

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