表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第零章 王様と息子
2/104

ゲームの世界、ブラックスフィア


 ブラックスフィアは小さな世界。ゲームをしなければ滅びゆく世界。ゲームが全てを支配する。ゲームを司るのは王様。王様の息子たちはそのゲームを行う。

 黒い海に浮かぶ城。黒い雲に隠された町。暗黒に染まりつつある、小さく脆い世界。

 扉を開ければそこは地球の国。繋がっているのだ。

 言語はそこから取った。彼らはうまく聞き取れなかったので、適当に変えた。

 ――そこはイギリス。


 王室には、紫水電蔵しすいでんぞうと王様の二人しかいない。他の者は別室で休んでいる。

 紫水電蔵は王様の側近であり、息子である。水紫色すいししょくの髪と赤黄色しゃっこうしょくの瞳を持つ、魔種と呼ばれるオスの人種。青年といったところだが、実際の年齢は不明。

 一方の王様は、赤桃色しゃくとういろの髪に金紫きんしの瞳を持つ、魔天種と呼ばれるメスの人種。こちらは少女といった風情だが、電蔵と同じく実年齢が定かではない。

「おい王様ァ。用がある。ちょっといいか」

 黒と赤の二色を基調とした、軍服を模した衣服を身に着けているのが電蔵。

 電蔵は棒立ちで王様に意見した。ひざまずくでもなく、進言でもない。対等の立場としてそこにいる。ここには、そういう格式ばった規則は存在しないのだ。

 電蔵の好青年然とした顔を、王様は真剣に見つめた。

「なんじゃ。急ぎか」

「おうさ。今日入り込んだ者がいる。オレの感覚がそう告げているんだ。二人の人間だ。間違って開けてしまったんだろう。どうする?」

「本当か、電蔵。お主にやってもらおうかのう」

 玉座に座っていて、王冠を乗せている王様。身に着けている衣服は薄い着物。洋風で赤いドレスだ。簡素なもので、こども用のものにも見える。王様は背が低い。

「……またァ? はあ。息子遣いが荒い。許可を」

「よし。許す。わしが責任を取ってやろう」

 王様がバッと手をかざす。リボンで一つ結びにしていた長髪が揺れた。

 優しげな目を緩ませ、電蔵は微笑んだ。

「ありがたいが、ありがたくないな」

「暴れてこい、電蔵」

「ラジャー」

 電蔵はズボンのポケットからカードを取り出した。指に挟んで、念じる。

「呼び覚ませ。黒雷招来」

 呟くと、カードから黒い雷が発生。これはカードに封じられた力。電蔵の持つ力である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ