表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第零章 王様と息子

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/104

必殺泣き落とし

「それはありがたい……が、もう聞かれていたりしてな」

 電蔵は苦笑する。王様も同じように苦笑した。それから王様はにたりと悪魔のような笑みを浮かべる。

「……はっはっは。だったら、言ってもいいな?」

「いや。わざわざ言わんでもいいだろう」

「お主を困らせるのは大好きだ!」

「ああ! 性格が悪いっ! 鬼だ! 悪魔だ! 魔天種でなし!」

 電蔵は真顔で頭を抱えた。王様は満足げに高笑いしている。一通り笑い終えると、王様は急に神妙しんみょうな面持ちになって、電蔵に問うた。

「……どこの国にするか、決めたか?」

「面倒だ。もうイギリスに近い国でいいんじゃないか?」

「……それこそ世界が狭い! もっと旅をしろ、旅を!」

「……日本はどうだ」

「何故日本?」

「ショタというものを創ったのが日本だと聞いたぞ。それは寒糸かんしが言っていた」

「何っ!? それはいい! でかした、寒糸! では本場のショタを拝むぞ! 電蔵、連れてこい!」

 王様は見るからにご機嫌な表情になった。電蔵は見るからに不平不満を言いたげな表情になった。またしても、電蔵は王様の召使いとなる。

「何故オレなんだ!」

「お主がいいんだ!」

 それは告白とも取れる物言いだった。しかし相手は母であり王様なので、それはない。

 甘えるような声で、王様は手を組んだ。瞳を潤ませて同情を誘うようにしている。

「お主じゃなきゃやだ……」

「気持ちが悪いぞ、王様」

「電蔵は酷いやつじゃのう」

「王様よりましだ」

「わしの必殺泣き落としにもくっせんとは……」

 王様はぶすっと頬を膨らませた。

「オレは必ず殺されるのか?」

「必殺とは必ず殺すものなのか! 初めて知ったぞ! そうじゃったのか!」

 王様は目を見開いて、新発見をしたと言いたげに拳を握り締めた。

「そんなこたどうでもいい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ