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王様のお遊戯(あそび)  作者: 社容尊悟
第零章 王様と息子

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口汚く罵ることもある

 電蔵も目を逸らして、頭を押さえる。泣き顔を見ないようにしているのだ。

「このわしを馬鹿にするとは……なんという仕打ちじゃ! 酷い、酷いぞ、電蔵……。わしはもうショタしか信じられん……電蔵なんかショタになれ! ショタにならんと許さん」

 泣きながら幼い男子への愛をぶちまけた。王様の我儘には付き合いきれんと電蔵が呟く。

「オレはお前さんの鏡だろ? オレを否定しちゃいけないな」

「お主もわしを否定するな」

「否定はしてない。オレを酷使しすぎだと言っているだけだ。他の息子にも酷使と言う名の愛情を注いでやれ。使ってもらいたがっている者はたくさんいるんだ。オレを使うより楽しめるぞ?」

「わしのような母が不満か?」

「おうとも。お前さんはもっとオレを尊重すべきだ」

 電蔵は自身を指して、王様に苦言を呈する。王様はちょっとばかり考えたふりをする。

「やだな! お主はわしのものじゃ!」

「クソが……!」

 ひたいに青筋を走らせて、電蔵は汚い言葉を吐く。電蔵の口汚さに、王様は恐怖していた。

「で、電蔵……お主、怖いぞ」

「王様の所為だな」

 電蔵は爽やかな笑みを浮かべた。汚い言葉を吐いて、すっきりしている。

 電蔵が文句を言おうと、王様は変わらない。我儘でこどもっぽい性格を変えない。

「でもオレは……お前さんの息子なんだな」

 電蔵は悟ったような顔をして、王様を見据えた。

「……そうじゃが?」

 王様は首を傾げている。電蔵の突然の一言が意味不明だと言いたげだ。

 電蔵は理由を話さなかった。王様に話せば調子に乗ると思ってのことだろう。

 目を伏せて、ズボンのポケットに手を突っ込んだ。

「……ま。お前さんにはわからんだろうが」

 格好をつけて、電蔵は王室を出ていこうとした。が、王様に呼び止められる。

「何出ていこうとしとるんじゃ。話はまだ終わっとらん」

「あっ」

 電蔵はハッと我に返った。電蔵を見て、王様がニヤリと嘲笑う。

「……むむ? まさかお主……格好良く立ち去ろうとしておったな?」

「ばれたか……」

 電蔵は視線を斜め下にやった。恥ずかしさのあまり、視線を合わせられないのだ。

「お主のことは他の息子たちには言わないでおいてやろう」

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