舎弟
月・水・金に投稿すると宣言しておきながら宣言通り投稿できたのは久しぶりとなってしまいました。そんな無茶な宣言した自分がバカでした。まるで、夏休み直前に「よぉーし、この夏休みは最初の1週間で宿題全部やって、あとは好きに過ごすぞ!」と息まきながら結局夏休み最終日に「ぷぇーん、宿題終わらないよぉ」と泣きじゃくる小学校3年生の如し。情けない限りでございます。土下座してお詫び申し上げます。そして、月水金投稿宣言も撤回致します。月4回投稿を目標に致します。次、破ったら切腹ですかね。ハラキリ覚悟で投稿します。
「拙者は新東京第一高等学校1年、不忍楓と申す者でございます。昨晩の試合を拝見し、是非零殿の舎弟にして頂きたく、参上した次第でございます」
その生徒は困惑する俺をよそに一息で自己紹介を済ませた。それにしても昨晩の試合と言うと…裏アリーナの試合のことか?まさか俺の正体がバレたのか?とりあえず、ここはトボけておこう。
「昨晩の試合?何の話だ?」
「安心してくだされ。拙者、怪しい者ではござらん」
「尾行された挙句、いきなり舎弟にしろだなんて、変質者以外の何者でもないだろ」
「へんッ…?!ぐ、た、確かに…。ですが、これは本心でござる。拙者、昨晩裏アリーナなる場所に初めて行った折、そこで試合をしていたのが何を隠そう般若殿でございました。拙者、諜報活動には自信アリでござるが肉弾戦に関しては自分より下の位階の者にも負ける始末。自分を不甲斐なく思っていたところに、能力を使わずして相手を圧倒する般若殿の試合は眩しく見えたでござる。何とか舎弟にして貰えないかと得意の諜報活動で般若殿が王真零殿だと今朝方分かったでござるよ」
「ふむ。話の流れは分かった。だが、一体全体どうやって俺がその般若って奴だと思うに至ったんだ?」
「零殿が不審がられるのも当然でござる。それを説明するにはコレを見てもらったほうが早いでござる。異能力-存在希釈-」
その声と共に、俺の目の前から霧が晴れるように不忍楓の姿が消えていった。
「ッ?!」
「安心して欲しいでござる。拙者は先程の位置から1ミリたりとも動いてはおりませぬ」
確かに先程と同じく、前方から不忍楓の声だけが聞こえてくる。
「解除」
またしても不忍楓の声が虚空から聞こえ、それと同時に不忍楓の姿が俺の目の前に浮かび上がってきた。
「それが…お前の異能力?」
「はい。修行不足ゆえ、まだ能力をフル活用できませぬが、拙者から半径2メートル以内は拙者がこの世に存在しない者として全ての物質が判断するでござる。それゆえ、不可視状態になることも、壁を通り抜けることもできるでござる」
「なるほど。自分の異能力を俺に明かしたことは信用性を高める事情ではある。だが、それだけでは般若の正体を掴むことはできないだろ?どうしたんだ?」
「それは昨晩、般若殿と親しく話しておりました牧とか言う男…。異能力を使って奴を尾行し、打ち上げなる場で酒を飲んで酔っ払っていたところ、偶然牧のスマートフォンから般若殿宛のメッセージを覗き見することができたでござる。未送信状態のそのメッセージには『今日も零もとい般若様の最高ファイトをありがとう』と…」
ピコンッ
俺のスマートフォンから通知音が鳴った。送り主は牧だった。
『今日も零もとい般若様の最高ファイトをありがとうよ!今度こそは打ち上げ参加してくれよぉ?俺が狙ってる女の子に般若を連れてきてあげるって言っちゃったんだからさぁ。
P.S.ファンクラブ立ち上げるならいつでも声を掛けてくれ。運営は俺だ。稼いじゃうゾ』
俺は文章に目を通し、牧のことをそっとブロックした。
「どうやら嘘じゃないようだ。こちらでも不本意ながら確認が取れた。とは言え、舎弟だの弟子だのを抱えられるほど俺は強くないし、異能力もない。だから他を当たってくれ」
「異能力がないことは存じております!しかし、そんな零殿が自分より上の位階の者を薙ぎ倒す姿に心を惹かれたのでござります。雑用でも何でも致します。拙者を舎弟にしてくださりませぬか」
雑用て…。俺を何だと思っているんだ。とは言え、不忍楓の異能力は強力だ。味方にいたらこの先高校生活を送る上で頼もしいことは間違いない。それに加えて悪い奴でもなさそうだ。言葉遣いはおかしいけど。
「舎弟は取らない。けど、友達ってことでいいんじゃないか?」
「!!…あっ、ありがたき幸せ!!一生ついていきます!アニキ!!」
「だから、アニキじゃないって…」
キーン コーン カーン コーン
そんなこんなで俺は新たな友達と引き換えに、1限に遅刻することとなったのであった。
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