1.知見
某日、ハンターギルド。
「スタンピードの兆候?」
「そうだ。ランクの低いハンターが狩ってきた異様に痩せたハウンドを例の魔道具でスキャンしたら、ダンジョンから溢れてきたと出てな。」
「それをなんで俺に。」
「国に問い合わせたら迷い人ならば何かわかるかも知れんと言ってきた。お前やはり迷い人だったんだな。」
「今更な話だなぁ。俺は武力行使に関する能力は無いし、スタンピードの心当たりも無いよ。」
「だよなぁ。」
とはいえスタンピードとなると他人事じゃない。
これといった対策は無いにしろ、知識だけは仕入れておかないと後で恥をかきかねない。
オークションの時に行った図書館から鑑定した本に何かないか探していく。
多分歴史書あたりに過去のスタンピードについて書かれているだろうとあたりをつけたものの、発生日と事実が書いてあるだけだった。
翌日、棒金貨1枚払い図書館で探しまわる。
といっても前回来たときの続きを鑑定して回るだけだが、一応背表紙のタイトルは読んでいく。
「なんかソレっぽいのないかなー。」
手に取ったのは本命の"ダンジョン氾濫年鑑"、対抗の"ミアー領氾濫の歴史"、単穴の"ライナー伯国年鑑"の3冊そして大穴で"食用魔物図鑑"。
大穴のやつは、もしスタンピードが蝗害と同じであれば、湧いてくる魔物が別種扱いになっているんじゃないかという理由から。
スタンピードの調査報告は本命の"ダンジョン氾濫年鑑"にあった。
やはりこいつら食用部が無い上に、食物を食い荒らしてやがった。
おまけに大穴だった"食用魔物図鑑"に変異種として記載されていた。
こりゃまずい。
蝗害は見たこと無いけど想像できる範囲でも深刻なことがわかる。
こっちの蝗害、つまりスタンピードに影響を受ける魔物が
サバクトビバッタのように孤独相と群生相に別れているのかは知らないけれど、
迷い人の知識として報告しておいた方が良いだろう。
翌日、ハンターギルド。
「魔物の変異種?うーむ、今のところは現れていないと思うぞ。」
「じゃあ装甲が硬いとか解体で食用部が極端に少ないとか。」
「殻が硬いのは魔物を狩ってる連中に聞かないとわからんが、解体については今確認できるな…おい、解体部のチェリヴ呼んでくれ。」
「俺を呼ンだのはギルドマスターですかい?」
「おう、そうだ。最近の解体の様子を聞きたくてな。」
「様子っつったって特に代わり映えしねえ。…せいぜい痩せこけたグリズリーの親子が入ってきたぐれえだわ。」
「そのグリズリーはまだギルドに残ってるか?」
「内臓は全部捨てちまったけど皮ならありますぜ。」
「1枚持ってきてくれるか。調べたいことがあるんだ。」
「へいよ。何を調べるのか知りませンけど持ってきましょ。」
調べたら蝗害ってイナゴの大量発生みたいなのも含めるのね




