7.問:どちらが悪者でしょう
先ほど倒した盗賊の足跡は獣道に通じており、そこからしばらく歩くと広場が見えてきた。
「あれかな?」
小屋と見張り台がある。
どうやら盗賊の棲み家のようだ。
「とりあえず見張り台が邪魔だな…」
今回は盗賊を倒した際に使った"レジ台"と"倉庫"の
強奪コンボは建物相手には使えないようだ。
「だが、しかし…」
そこに付属する物…例えば鳴子や鐘に武器庫の中身といったもの。それと盗賊の武装。
そして、建物の部材であれば行けそうだ。
眠気の中、戦力的に勝てないのであればせめて情報戦だけは勝とうと
"不可視の商品棚"の"レジ台"で一部屋ごとに鑑定する。
ついでに各部屋の武器や食料を"倉庫"へ格納していく。
ありがたいことに盗賊の頭領を鑑定したとき盗掘団という団体名と人数も把握できた。
「名無しか。まあ人数もそんなにいないし今朝の奴らと同じ感じでいけるな…」
◇◇◇◇
ひどい眠気による躁状態は疲れどころか罪の意識をもボヤけさせるらしい。
武器庫から奪った長剣を次々に投げ、外れた時は再回収。
短剣、ナイフ、矢は頭上から雨の如く降らせ、重量物は位置エネルギー兵器として利用する。
正気を取り戻した時には見張り台も小屋も血の海となり果てており、
色々ひどいことになっていた。
我ながら平然と人を殺しすぎな気がする。
「元の世界で不当に殺されたから倫理観が死んだのかな?
だったらあのクソ会長とクソ営業もまとめて殺れればよかったのに。」
…寝不足は本当に真っ当な思考を奪う。
頭領が把握していた人数と"倉庫"に入れた人数が一致していることを確認したし、
後片付けは後回しにして寝よう。
流石にこの歳で徹夜と激しい運動とか死ぬほどキツいのに殺しとかもう心身ともに堪える…
この場合は自ら攻めているので過剰防衛にあたるんじゃないかな