5.鶏を求めて
引き合わされた1件目の業者は「ヒポグリフエッグ」という鶏卵が主力の養鶏場だった。
ヒポグリフって卵生だっけ?というか下半身馬じゃなかったっけ?
「養鶏はしたいけど鶏卵に向かない品種ですか?うーむ。」
ヒポグリフの卵亭の担当者が難しい顔をする。
ちなみに種族は人間ではなくケンタウロスのおっさんだ。
「正確にいうと、肉が美味しい鶏を探しているんです。」
「それで鶏卵に向かない品種ですか。」
「ええ、どちらも美味しい品種があればベストなんですが、
この国の食糧事情を見るとそうではなさそうでしたので。」
「いやいや、数は少ないですがステーキなどで食べられていますからね。
食肉目的の鶏は探せばあると思いますよ。」
「そうだと良いのですが。」
やはり鶏卵の業者じゃ駄目か。それなら次だ。
「鶏肉?ウチじゃあんまり扱ってないねー。」
と答えるミノタウロスのおばさ…おねいさんは食肉を扱う卸業者だ。
名前は「肉のコッカトライス」で、コカトリスは異世界でも
コカトリスと発音するのに米も扱うからライスとしたんだそうな。
「あまり、なら扱ってはいるんですね?」
「たしか手羽を居酒屋、足や骨ガラをラーメン屋に卸してるね。」
「モモとムネは?」
「焼く以外はミンチにしてほかの肉の嵩増し。それでも余るから処分するよ。」
うわ、それじゃ水分多くてまずくなるだろうに。
「それじゃその処分するモモ肉とムネ肉を少しウチに卸してもらえますか?」
「いいけど、使いどころあるのかい?」
「値段つり上げるようなことをしなければお教えしますよ。」
「儲かるかどうかわからないからいらないよ。欲しいだけ卸すから数を言いな。」
「それじゃあ10羽分、両足の20と両胸の20でお願いします。」
「あいよ。契約書書くからちょっと待ってな。」
よし。とりあえず肉の確保だけはできた。
ブランド鶏は当面の課題として他の材料買ってこよう。
モールニヤ店長君の待つ店に戻る。
「片栗粉、ショウガとニンニク、料理酒に一斗缶のラード?なにやるんですか?」
「唐揚げ。何故か無かったから作らねば。」
「ああ、迷い人レシピですか。今回は鶏肉が発展するんですね。」
「そういうこと。それじゃ皮やら骨やら筋やらを取った肉をボウルに入れてって。
君はショウガとニンニクをすりおろしてくれるかな。」
店員候補に指示を出していく。
「出来ました。」
「んじゃ全部混ぜて。味が染みこむようよーく混ぜてな。」
店員が3人がかりでわっちゃわっちゃと混ぜていく。
その間にコンロに火をつけ、ラードを溶かす。
油がピチピチ音を立て始めたので肉を片栗粉でまぶすよう指示する。
やべ、切るの忘れてた。…まあいいか。
鶏肉を油の入った鍋にシュート!
「超、エキサイティング!」
「…オーナー?」
「いや、ちょっとした発作だから気にしないで。」
ヒポグリフの親であるグリフォンてどうやって誕生したんだ




