10.ダイジェスト・ケフ
それから2日は特に何事も無く過ぎ、ショトカ経由ケフ行きの列車に乗った。
面倒くさい赤本による自習が店員確保によって無くなったのはやはりデカいもので
ゆっくりと街を見て回る事が出来、列車にも余裕を持って乗ることが出来た。
その後もポーヴァ、ショトカと経由して、ケフに至るまで事件は起きず、
無事にケフに着いてしまった。いや、悪くは無いんだけれども。
さて、ケフという街は盗掘団のアジトから直行でショトカに行った俺としては初めてだ。
ここは北部に禁足地があるというだけの集落という感じで主な産業は農業。
扱うものはハリコより赤道寄りということもあって南国的なフルーツが多い印象だ。
もっとも、「南国」という表現は南半球側に居るため間違いであるが。
切符がもったいなかったからここに来たという状況のため、
降りてすぐ領都側に向かえる列車を探したがこんな田舎町にそんな便は無いわけで。
ショトカかハリコに行かないと領都には向かえないらしい。
ハリコは十分に見てきたので今度はショトカにしよう。
とりあえず明日朝に出発して夕方に着く便の切符を買い、市場に赴く。
ハリコ同様片っ端から鑑定してまわり、時間を潰す。
宿も鍵だけは付いている簡素な所にして明日に備えた。
◇◇◇◇
で、現在はショトカの駅にいるわけである。
領都デッサ行きはドネペロフ経由しか走ってなかったのでそれを購入し、
明日の出発まで市場で鑑定してまわることにした。
市場巡りの途中、魔導訓練校のインストラクターさんに出くわした。
「ん?おまえさん、ハサマか。ずいぶん成長したみたいだな。」
「わかりますかね。」
卒検で宿題にされていた魔素の知覚は三輪バイクに乗っていたとき
泥下の蓮のメンバーにコツを教えてもらっていたのだ。
「それだけ普段から魔素を集めているなら問題はなかろ。完全に卒業だ。おめっとさん。」
「ありがとうございます。」
「ああ、そういえばお前さんが以前叩きのめした貴族の息子なんだがな。」
(いたな、そんな奴。)
「親にこってり絞られて軍の訓練に放り込まれたんだ。
本人も納得して行ってるから逆恨みはされないとだけ伝えておく。」
「根は親に似たんですかね。逆恨みされないなら俺は問題ないです。」
「そか、んじゃ壮健でな。」
「ええ。」
あまり覚えていないが憂いが無くなったのなら良しとしよう。
だいぶネタ切れ。




