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unkな会社に殺されて  作者: 印西牧の原終点
1.unkな会社に殺されて
6/122

6.盗賊テンプレ(ただしセルフサービス)

"不可視の商品棚(プロダクト・シェルフ)"の性能がインパクト強過ぎて忘れていたけど

今は生き残るためのサバイバル中だ。


正直なところ鑑定と倉庫しか使ってないし、目的も食料と水の確保だけ。

当面問題ないけど火種が作れないと火を通す調理が一切できない。

そのた確保できてるのは"不可視の商品棚(プロダクト・シェルフ)"発現前に造った石のナイフだけ。


さて寝床。徹夜明けの今だと寝落ちカウントダウン中だけど

外敵として何か出るかわからないし洞穴(ほらあな)なんて見当たらないし

木の上に登るにしたって約0.1tの体重じゃ無理だ。

「住居作るにしたって体力残ってないし、眠気が洒落にならないからなぁ」


せっかくのチートなのに早々の退場かと諦めかけたその時、

前方に2つの盗賊風の衣装を纏った人影が現れ

「なんだァ?こんな所に一人でいるとか自殺志願者か?」

「迷い人か?ならここで死んでもバレないな!」

と、これまたわかりやすい盗賊のテンプレ的ご挨拶をかましてくる。


「なァにすました顔してんだ、デブ!」

「その体型じゃ逃げることもできねーだろうよ。

大人しく身ぐるみ…って手ぶらか手前ェ」

そうなのだ。

"不可視の商品棚(プロダクト・シェルフ)"が不可視である以上俺は死んだ当時の格好のまま。

無地スウェットの部屋着にフチなしメガネ、あとスリッパ。

盗賊にすれば旨味の無い目撃者なんだろう

「運が無かったな。獲物にすらならないなら死んで貰うだけだ」

と言って腰にあった鉈で斬りかかってきた。


こっちの手元にあるのは石割って造った簡易的なナイフのみ。

だが不利とか通り越して生命の危機ならば何やっても正当防衛が成り立つ!

"不可視の商品棚(プロダクト・シェルフ)"、全装備を鑑定、格納!

盗賊2人の足元に"レジ台(テーブル)"を展開し、鑑定しながら"倉庫(バックヤード)"へ放り込む。

武器は当然、衣服どころか下着の類まで持ってかれた盗賊2人は

攻撃をやめ何が起こったのかと立ち止まる。

その間"倉庫(バックヤード)"から奪った鉈を利き手じゃない方で持ち、

突出していた方の盗賊の喉元を狙う。

喉元を狙われた盗賊は刃先を掴んで躱すが、

こちらが奪ったもう一本の鉈を利き手に出して力任せに頭に叩きつける。

「ちぇーすとォ!」

力を出し切るために息を吐くことが大事なんだからかけ声が変なのは気にしたらダメだ。

それと咄嗟にこんな行動できるのはアレだ。

異世界に転移したせいで中二病の残滓が発動したんだよ。


「野郎、よくも可愛い弟分をッ!」

余韻に浸る間もなく逆上した全裸の片割れが

いつの間にか拾ってたらしい木の枝を振りかぶってきた。

慌ててしゃがみ込み、腹に回収した鉈を刺す。

約0.1tの体重が乗った一撃は全裸盗賊を吹っ飛ばし

少しだけ宙に浮いてから地面に叩きつけられ、

打ちどころ悪かったのかそのまま動かなくなった。


「はあ、はあ。クソッ、俺はどこの…大地に立つ某白い悪魔だよ…」

オタクしかわからない例えを出しつつ呼吸を整え、

自分で作ってしまった惨状をなかったかのように"倉庫(バックヤード)"へ放り込む。

いくら正当防衛が成り立つシチュエーションだとしても

そしてこんな物騒なイベント用意しなくても良いだろと愚痴りながら盗賊の足跡を辿り始める。

盗賊なら棲み家(アジト)があるだろうから乗っ取ってしまえと、

我ながら実に物騒な考えである。

残酷な描写ってどこからどこまでを指すんだろう?

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