9.メールも携帯もポケベルも無い
店員候補確保。
「それじゃ領都へ免許を取りに行ってもらうんだが…どれで行きたい?」
「は?」
「列車だよ。西経由と南経由だ。」
「あ、じ、じゃあ、関所の無い南で。」
「よし。切符を買ってくるから夕方までに身支度をととのえろ。」
「わ、わかりまし…た?」
いまひとつノリが悪いな。
「着替えが買ってこいと言ってるんだ。さっさと行ってこい。」
「は、はひぃ…」
慌てて走るモップ(仮称)を見送って、俺は切符を買いに駅へ向かう。
ちなみにそのまま持ち逃げする可能性があるのでリュックには発信器をつけてある。
夕方、集合場所のモップ(仮称)に切符を渡す。
「そういえば名前を聞いてなかった。俺はハサマだ。行商の真似事をやってる。」
「モールニヤです。見ての通り猫獣人です。」
「稲妻か。俺が領都に着くのは早くても10日後だ。
名前負けしないよう迅速な免許発行と手続き頼むぞ。」
「わかりました。できるだけの手続きを行っておきます。
それで、あちらでの連絡はどうします?」
電報は打てるが所在がわからないと届けようがないからな。
電話自体もあるけど交換機が手動レベルだし、民間レベルでは置いてるところがほぼ無い。
ここは…
「駅の掲示板でいいだろ。俺が書くから集合は記載された場所で。
だいたい18時頃から1時間の待ち合わせを書いた日から10日間やるんでそれまでに来てくれ。」
「…はい。わかりました。」
「頼むぞ。これが完了したら面白いのを見せてやる。」
「?は、はぁ…。」
そんなこんなでヘールソ経由デッサ方面行き列車を見送り
俺は目的地での行動計画を修正するため、宿へと戻った。
自分の部屋に入り、窓際のテーブルセットに腰掛ける。
倉庫からメモ帳を取り出し、
ケフでの行動を書き留めていた箇所を取り消し線で潰す。
そして余白部分に新しく書き留めたいのだが、スペースが小さい。
「どうせ覚えられる範囲の事だからいいけどさ。」
と言いつつ無理矢理「仕入れ」と書く。
店員確保で滞在する意味が無くなったがハリコとはまた違った山の幸があるはずだ。
ポケベルを知ってる下限の年代は氷河期世代…のはず




