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unkな会社に殺されて  作者: 印西牧の原終点
1.unkな会社に殺されて
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13.誰だ額面決めた奴

ラッパが鳴る前にフィリップス達から予習として貨幣制度を教えてもらった。

単位はグリブで、貨幣はすべて硬貨でいわゆる金銀銅貨とバイメタル貨幣なのだが

その額面が実に頭を悩ませてくる。

せめてもの救いは単数系・複数形で読み方が同じということなのだが、

1グリブ=棒銅貨1枚で12枚になると棒銀貨1枚、

同じく棒銀貨12枚で棒金貨1枚という12進法が使われている。

おまけに六角貨という各6枚分の貨幣が存在して混乱するなというほうが難しい。

なお六角金貨が3桁を超えるような場合は大抵が信用取引となるそうだ。

市場価格については自分で調べろと言われたので後で調べようと思う。


◇◇◇◇


街中で課業開始のラッパが鳴ったため、4人で国境警備隊の詰所に向かう。

事務方への連絡は昨日のうちにフィリップス達がやってくれていたので

検分の準備はできていたらしい。

しかし検分対象が多いため明日また来てくれと

フィリップス達の上官である中隊長に言われてしまい、今日は暇になってしまった。

さすがに半日も現金がなくては何もできないと泣きついて

ようやく死体の運送費だけ支払ってもらったのはちょっと恥ずかしかった。


「しかしアレだな、死体(アレ)屯所(ベース)まで運んできてもらっといてなんだが

お前さんの収納はそうそう見せびらかすのは止めたほうがいい。」

3人に宿題にされていた市場価格の把握に付き合ってもらっていると

前振りもなく突然倉庫(バックヤード)の事にツッコミを入れられた。

「わかってはいますが、珍しいとはいえ収納魔法持ちということにしておけば

手ぶらでも納得してもらえるので。容量だけは嘘をつきますけどね。」

と本当の"倉庫(バックヤード)"の能力は言わないよう、それらしい理由で躱す。



市場で市場価格を見ているのだが、価格の把握が非常に難しい。

144グリブが棒金貨1枚になるからキリが良いとか、

50グリブが棒銀貨4枚に加え棒銅貨2枚払わなければならなくて面倒だとか、

逆に70グリブが六角銀貨1枚支払って棒銅貨2枚の釣りになり

得した気分とかもうわけがわからない。


12進地獄から目を逸らすため品物の方を見る。

過去に迷い人はそこそこ出没していたらしく、

ところどころで剣だの魔法だのの風景に合わない光景が見られた。

例えば紙。それ自体はなんの違和感も感じさせることなく流通はしているのだが

なぜか和風の張り子が看板や美術品として売られている。

例えば流通。小売商のレベルに至るまで完全に規格化されていて

馬車に隙間なく木箱が積まれ、どこかで見たような焼印がされている。

例えば石鹸。用途別はおろか、複数のブランドが競いあってすらいる。

バス。運転手とペアで魔導士が小型蒸気機関を動かしている。

出汁文化。専門店があるくらい種類が豊富でインスタント品まで扱っている。

とどめが屋台。これ絶対西の人が広めただろ。


棒貨はココアシガレット(お菓子)みたいな感じで想像してもらえれば。

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