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荷運びのギド

タイトルをみて開いてくれたムフフな人の期待に応えれるよう頑張ります!


「おーい!!。ギドッ!!これも頼む!!。」


「わーかってるって!!。」



ギドと呼ばれた青年が小太りの男性から木箱を受け取る。


だが、青年の予想より木箱が重かった為…受け取った青年が体ごとズシッと沈む。



「おいおい、しっかりしろよ。荷運びが荷物をもてあげれなくてどーすんだよ。」


「ち、違ぇよ!。いつもの木箱より重いだろこれ。」



彼がこの男から請け負っている殆どは金属原石や魔石だ。


鉄鉱石などは大きな木箱を馬車で港まで運ぶので、手で抱えれるサイズは決まって魔石を梱包した物なのでここまで重い事は初めてだ。



「何が入ってんだ?おっちゃん。魔石にしちゃあ重すぎないか?。」


鉄鉱石に魔石に鉄鉱石に魔石に…。


それなりの期間、おっちゃんから荷運びの仕事を請け負ってきたがなんの前触れもなくこの荷物…。なんなのだろうか。



「ふふふ…聞いて驚けよ…。『アダマンタイト』だ!!。」


「『アダマンタイト』っ?!。んな馬鹿な!!。粗悪鉄鉱石と小粒の魔石しか取れないこの島でか??!。」



アダマンタイトと言えば希少な金属だ。産出地も少なく、産出量も極々僅かだ。


それをこんな…鉱山島から……。



「こんなとは失礼だな!。荷運びの仕事を請け負ってる身で何言ってんだ!!。」


「はっ!!。口に出てたか!!。」


おしゃべりな口を閉ざそうとしたがあいにく既に使っていて塞げない。



「取り敢えずそれは貴重なサンプルだ。お前がうちの島に来る運び屋で1番完遂率が高いからお前に託すんだぞ?。トルマーシュに着いたら鉱物研に鑑定に出せ。分かったな?。」


トルマーシュはこの近隣の島で最も大きな島だ。


しかし、鉱物資源が殆ど無いため…農業と加工業が発達した島となった。



「分かったよ、おっちゃん。まあ、任せなって!!。」


「…ふん。そのつもりだよ。ほらさっさと行け!。」



木箱を他の魔石と一緒に荷馬車に乗せる。


「落っこちる場所に置いてないよな?行くぞギド!。」


この行者は…この島の鉱山主であるおっちゃんが荷運びを依頼した運び屋の荷積みを手伝う人だ。


運び屋は港から港が仕事。それ以外は依頼人の仕事だ。



「あぁ、そうだ。噂によると近くの海域で竜と竜狩りがドンパチやったらしい…気を付けろよ!。」



馬車が進み出した時。おっちゃんが教えてくれた。



竜…強大な生命そのものが翼と鱗を持つ怪物となった存在だ。


全てを滅ぼし、台地を育み、この雲海を進む風を生み出す…


滅びと恵を生み出す者だ。



そんなものはただそこに生きるだけで全ての命を活性化させる。


その為、竜が通った道は危険度が上がる。


とは言えそんなもの言われた所でどうしようもない。仮に竜と遭えばそれこそ人生終了のお知らせだ。



「んなもんどうしようも無いよ!!。心配しなくても竜狩りが倒してくれるさっ!!。」



人に害を成す超生物…それの代表が竜だ。


そんな竜から人類を守るのが竜狩り…。


「かっけぇよなぁ。あの竜すらも倒すなんてさ!!。」



「はっはぁ!!。ギド、お前にゃ無理だよ!!。」



お前にゃ?…あらゆる人間の殆どが無理に決まってるだろ。


だから俺は…今日も運び屋をやってるんだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




港に着いた。



台地の縁、その1部に船を停めれるようにしたのが港だ。


そこに俺の船が停めてある。



湖を往く船を改良したようなものだ。


甲板があって、船内には空に浮く為の浮力を確保する魔法陣と荷を積む場所。そして生活の為の空間も完備だ。



この魔法陣で生み出される浮力で雲海を渡る船は一般的には浮遊艇と呼ばれる。



この浮遊艇だが…小さければ大変燃費が良い。


しかしサイズを大きくすればするほど燃費は大きく悪くなっていく。


その為、荷運び等は小さな船の持ち主を複数人雇って行うのが主流となっている。



「そんじゃあ気をつけろよ!!。竜に会わないように心の底から祈っといてやるよ!!。」


「おいっ!、そう言って酒場の方に言ってんじゃねえよ!!教会は逆だろ!!。」



行者は真っ直ぐ酒場に向かっていった。


まあ、祈らなくとも竜と会うなんて…それこそ奇跡みたいなもんだ…。


まあ、…確率的な意味での奇跡だが。良い事なんて起きやしない。



「さてと、そんじゃ出航だ!。」


船に乗り、舵を握る。


右のレバーを前に。倒せば倒す程速力は増していく。



軽く前にたおし、低速で離岸する。


距離を置けば後は…



「よっしゃあ!飛ばすぞ!!。」


速力全開、レバーの根元を足で前に蹴り倒す。



ぐわんと揺れる体、急激な加速をした証だ。









しばらく進むと、速度を落とす。


ここは座礁域と呼ばれる海域だ。


雲海の表面には出ないが、そのすぐ下に鋭く尖った岩が無数に有るのだ。



勿論下に広がるのは雲なので目を凝らせば分かるし、運び屋の小さな浮遊艇で当たるような高さの岩も少ないので…ゆっくり進めば当たることは無い。



とは言え愛機を無駄に傷つける訳にも行かない。


特にやる事も無いので雲の下に薄く見える岩を探す。


当たりそうな物を見つければ舵を切り、避ける。


擦る程度なら大丈夫だが…魔術の回路や魔法陣が歪んでしまえばそれでおしまい。後は地の底まで真っ逆さまだ。


地の底は地獄と聞く。あらゆる魔物や魔人が蔓延り、数少ない食料を奪い合い、互いを貪り合い…


人が暮らせる場所では無いという。



まあ、その前に墜落死するのが先だけど。




…と、考えていると一際高い岩がある。高いのでそれだけ雲の中でもハッキリ見えるのだ。



あれ程の高さなら俺の小舟でも致命傷だ。当たらないように舵を切らねば。



ほら、良く見ると既に犠牲者が岩のテッペンに引っかかっている。哀れな最後だ……。



「んんん?……それはそれで珍しいなっ?!。」


人がテッペンに引っかかっている…。



船が座礁して雲海に落ちていくのは良くある。


だが乗組員が岩のテッペンに引っかかっているなんて見た事無い。初目撃の初耳だ。



船を減速していく。その人が引っかかっている岩の近くで船を止める……。



「お、おいこれ…死んでるんだよな?。」



死体の場合は容易に思いつく。


船が沈む際に飛びうったとか…より高い場所から落ちたとか…。




「………ぅぅ………。」


「んひぃぃい!!!。…………動いた?!……。」



生きてる…こいつこの状況で生きているのか?!。



つい最近墜落した船があったのか?


「いやいやいやいや、助けなきゃ!!。」



急いでその人に手を伸ばすが……届かない。


寄りすぎても船が危ないし……


「そうだ!取り敢えず縄を持ってこよう!。」


停泊時に船を停めておく為の太い縄を船内から持ってくる。



「おい!これに掴まれ!!。」



縄を括って輪にした所を投げつける。


だが反応がない。気を失っているのだ。



「くっそう。助けられる身で寝てんじゃねえよ!。」


仕方なくいつも縄を結んでいる船の出っ張りに縄を結び、反対側を自分に巻き付け船を降りる。


足を船の横に付け、そのまま雲海に対して並行になる格好で立つ。



その状態で腕を伸ばすと…何とか届いた。


「よし!…そのままずり落ちんなよ!。」


握った場所を引き寄せる。いや、岩の上に引っかかっているのでその人は動かず、実際は俺が引き寄せられる形だ。



そのまま近寄り、体を抱き上げる。



「………んはぁ!!。」



美少女だった……思わず変な声を上げてしまうほど……。



綺麗な栗色の長い髪。ガラスの様な白さ…までは行かないが、健康的な…それでも美しいと呼ぶには十分な白く、きめ細やかな肌。


鼻も、閉じた目も口も…小さく、愛らしく…。


まるで児童向けの絵本に出てくる眠れるお姫様そのものだ。



そしてその体は良い大きさの胸と細い腰…そしてまた細身ながら柔らかい下半身と…もう色々最高で、救命の為とは言え抱き締めている事に背徳感が湧いてくる。



(これは人助け、これは人助け、これは人助け!!!。)



やましい思いを一切持たずに船の甲板まで何とか登りきる。


後から思えば良く自分にこんな力があったと思う。これが美少女パワーってやつか。



「………ぁぁぁあ…色々良くないっ!!。」


その少女から目を背ける。俺と同い年(俺は19歳だ)かそれより若く見える…が、



その身に纏う服はボロボロだ。そりゃ何かしらあったのだから当たり前なのだが…。



まだ…まだその肌も傷だらけなら良かった。血塗れならあたふたしながら処置をしていた。


で、でも…



「………見えるよ……すんごく可愛い子の…すごくいい所が……。」



その子はシャツの上からふんわりとした外套を羽織っていたのだが…


そのシャツは破れ…はだけ……。美しいシルエットを描く双丘の輝く肌が直に見れる。


その頂きは辛うじて隠れていたが。底から緩やかに高度を下げる曲線も…柔らかそうなお腹も…そして小さなおへそも…その下に広がる下腹部も…スカートの際の際まで舐めまわすように見てしまう……。



「な!、何見てるんだ!!。」


見とれていた…。美しすぎるその体に……。



しかし、何故傷すら無いのだろうか…。こんな所に生身で来れるはずがない。浮遊艇なら必ず事故があったはずだ……。



再び視線は少女へ。



今度は下から……。



小さな足はブーツで隠されている。


すべすべの綺麗な膝…破れたニーソが非常に扇情的で…健康的な肉付きの太ももはニーソとミニスカートの間に思わず手を伸ばしたくなる領域を作り出し…



ミニスカートの中には…見えてはないがきっと愛らしい下着があって…


綺麗なお腹…やわらかそうな胸……



そしてくりくりと大きく美しいその瞳……



くりくりと大きいその瞳……



瞳……、ガッツリ目が合っている……。



「あ、あのぉ……。そんなに『良かった』……ですか?……私……。」



「……あ、………あははは(汗)………。」



終わった……。こんな可愛らしい子の命を助けたのに……これで俺は変態扱い…。


いや、そんなやましい目的で助けたんけじゃ無いから…別にそれで問題は無いんだけど……。



少女を見る。その目はこちらをただただ見ている…。


大胆にはだけた胸を、もう見せまいとガッチリガードを固めながら……。



い、色々期待するじゃん!!年頃の男の子なんだよ!。空の男だなんだ言ってて彼女なんて居た事無いし!!!。



だから気まずい空気を打開するべく…俺は提案した。



「……お腹空いてない?」

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