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皆で昼食会会場へと移動し席に着くと料理が運ばれて来た、と言っても料理を用意したのは俺だ。
アスタルとジェラルドが教皇に自慢したいとか一泡吹かせたいとか、まぁそんな感じの事を遠回しに言って来たので引き受けた。
用意したのはサラダ(和風ドレッシング)スープ(勿論目玉で具はリザードマンと各種野菜)ロールパン(天然酵母)カツレツ(ビッグボア)ハンバーグ(ブラックベアとビッグボアの合挽き)ソースはウスターとタルタルでデザートはチーズケーキとオレンジシャーベットを用意した。
材料に関しては聞かれても誰にも教えず、食後のお茶にアップルティーとお茶請けにクッキーを出し、先ずは感想を聞いてみた。
「どうだった教皇さん。何か気に入った料理は有ったかい?」
「ふむ・・・やはりスープだな。あれは格別だった・・・・・後はシャーベットか・・・我が国は温暖な土地柄故、氷菓子と言う物は私も始めて食した」
「やっぱりスープかぁ・・・実はな、あのスープは材料さえ有れば誰でも簡単に作れるんだ・・・と言ったらどうする?」
「「「「「なんだと!」」」」」
アスタル、ジェラルド、教皇、辰神、青山がハモッた。
「ははは・・・お前等食いつき過ぎだろ。主な材料はこいつ・・・フロートアイって魔物で肉はリザードマン。こいつが旨いって発見したのは偶然だが、ライラが食べて見ようって思わなかったら、こいつは今でも偵察用の魔物でしかなかっただろうな」
「そ、それがあのスープの素だと・・・・・信じられん・・・良く食べてみる気になったものだ・・・・・」
「因みに肉類は全部魔物だ。近い内にドラグーン王国の国境近くに交易都市を作って、そこで生産と販売をする予定になってるんだよな?ケイオス」
「うむ、我が国の特産品にしようと思っている。交易都市周辺に農地も作り食料の安定供給を目指すつもりだ」
「ケイオス殿、我ベルトラン王国に出来る事が有れば遠慮なく言って下され。出来うる限り力になりましょうぞ」
「ならば農業従事者の派遣をお願いしたい。魔族は農業に明るくないのでな、指導者が居てくれると助かる」
「ジェラルド、ドラグーン王国の準備が整い次第派遣出来る様に手筈を整えておいてくれ」
「畏まりました。何時でも派遣出来る様に大臣に申し付けておきましょう」
昼食会も終わり会議室へ移動する事になり、ライラとアレスにアイリス達を送る様に言い、皆がその場を辞去しようとした時ケイオスが口を開いた。
「まて・・・そこの小僧を見た事が有ると思っていたのだが・・・思い出したぞ・・・・・あの時・・・そなた等が『大進攻』と呼んでいるあの時に、混乱する兵達を纏め上げ撤退したあの男に似ているのだ」
「ケイオス陛下、それはおそらく我祖父レイルの事でしょう。祖父の残した『大進攻』時の報告書を読んだ事が御座います」
「そうか・・・・・撤退したのは千にも満たぬ数では有ったが、あの状況下での判断力は賞賛に値する。小僧、名は何と申す」
「ケ、ケント・ガーランドと申します」
「うむ、あの男の子孫として、その名に恥じぬ男になるのだぞ」
敵方だったとは言え当事者の賛辞に深々と頭を下げるマークスとケント。
会議室に向かう途中ケイオスが俺にしか聞こえない様に小声で呟いた。
「・・・あれは貴様の仕業か?・・・・・だとすれば奴の狙いはあの小僧だったと言う訳か・・・・・」
「・・・ああ・・・だが、あれで防げると言う保障も無ぇ・・・・・唯の時間稼ぎにしかなってねぇよ・・・・・」
「・・・おそらくはそうであろうな・・・・・しかし、それ以上に厄介な真似をしてくれた物だ・・・光と闇を内包するなど有り得ん事だ・・・・・あの小僧が力に溺れる様な事が有れば貴様が始末をつけろ・・・貴様はそれだけの事をしたのだ」
「・・・・・解ってる・・・まぁお前が心配している様な事にはなんねぇよ。あいつはそう言う奴じゃない」
「・・・だと良いがな・・・・・」
会議室に着き、明日の調印式で奴が現れる事を前提とした全体の流れ等の最終確認や意思の疎通を行い解散となった。
俺はハンスの村へ行くと眷属三人に大まかな作戦を伝えた後、タニアに褒美のネックレスを渡した。
アレスは奴との決着が付いた後に褒美と言うか願い事があるらしい。
ライラの褒美は添い寝だったので一晩抱き枕状態になった。
眠れない上に身動き出来ないと言う拷問の様な一夜を過ごしたが、明日で全てが終わる事を思えば何と言う事はなかった。
やがて夜が明け、この世界の命運を掛けた一日が始まろうとしていた。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




