表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/164

08

(・・・・・ん~・・・おはようございます主様!)


(おお、おはよう。体調は良さそうだな、取り敢えず飯を食え。食ったら泉側に少し行った所に焚き火をして岸に木桶を置いて魚捕りだ)


(・・・木桶は持って泉に入るんじゃないんですか?)


(ああ、面倒かもしれないが木桶が一杯になるまで何度も往復するんだ。それで一杯になったら俺の所まで持ってきて休憩、これの繰り返しだ。後、呼吸や体の動かし方を常に考えるんだ)


(え?・・・自分で考えるんですか?教えてくれるんじゃ・・・・・)


(ライラ、俺お前の体の事まで完全に把握している訳じゃないし把握できないぞ。自分の体の事は自分しか解らないんだ、大まかな方針は俺が決めるがその中での細かい動きは自分で考えて決めるんだ。それがお前の成長に繋がるんだ)


《・・・・・なんだかすごく難しそうですけどやってみます)


そう言うとライラは食事をした後、火を焚き桶を置いて泉の中に入って行った。

俺はライラを見送り、これで自立心が芽生えてくれればと思いながらスキルの事で気になっていた事を試す事にした。


(ライラのステータスを見た時の様にスキルも詳細が見られるんじゃ・・・唯一のアクティブスキルであり俺の生命線でもある『闇属性攻撃』これの詳細をと・・・・・)


――――――――――――――――

 闇属性攻撃(物理)

  闇の靄を発生して対象を

  任意で拘束、分解、吸収する

――――――――――――――――


(おお予想通り見れた。ん~なるほど任意って事は分解しないで捕らえるだけとか出来るって事か・・・・・ちょっと試してみよう)


俺は周囲に落ちている石や生えている草などでいろいろ試してみた。


(拘束と分解はそれだけでも使えるが、吸収は分解しないとだめか・・・・・まぁ拘束して少しだけ分解とか出来るから拷問とかに使えるか・・・ククク・・・・・


そんな事をやっているとハァハァと息を切らしながらライラが桶一杯の魚を持って帰ってきた。


(おう、帰ってきたか、思ったより早かったな。火に当たって休むといい)


(ハァハァ・・・・・主様・・・ハァハァ・・・これ・・・凄くきついです・・・・・)


(そりゃそうだ。でなけりゃ訓練に為らんからな、木の実とか拾った時と同じでそのうち慣れてくるからがんばれ)


(・・・・・ハァハァ・・・はい・・・ハァ・・・ハァ・・・・・)


仰向けになって息を整えているライラとそんなやり取りをしながら周囲の警戒をしていると、集落の在った所の先の通路に何か動くものが見えた。


(・・・ライラ!身を低くしたまま林の中に行け!敵襲だ!急げ!!)


ライラは「は、はい!」と返事をして四足で駆けて行くと、木の陰に身を低くして隠れた。


(・・・・・予想通り来やがったな・・・豚野郎め・・・ライラは俺の指示があるまでそこに居ろ。いいな、絶対に出て来るなよ!)


(オ、オークが三匹も・・・・・大丈夫なんですか?・・・わ、私も戦った方がいいんじゃ・・・・・)


(ハッ、必要ねぇよ。それに今お前に怪我されたら困るんだよ。だから大人しくしそこで俺様の雄姿を見ときな)


オーク達は集落の跡地を警戒しながら物色していたが、暫くすると泉の反対側にある焚き火に気が付いて近寄ってきた。


(よーし、いいぞ・・・そのままこっちに来い!そして俺様の経験値になりやがれ!)


オーク達は焚き火の近くまで来ると背負子に括り付けられた俺に気が付き、警戒しながらも取り囲む様に並んで中を覗き込んだ。


(ククク・・・馬鹿な奴らだ!早速試させて貰うぜ!拘束!!)


俺は靄を出し一瞬で三匹を拘束し、つま先から少しずつ分解して行った。つま先から血が噴出し靄を赤黒く染めていく。オーク達は自分の体が少しずつ削られ苦痛と恐怖に顔を歪め、喚き泣き叫びもがきながら死んで逝き俺に吸収された。


(・・・ククク・・・ハハハハハ!!最高の表情だったぜ!いい実験台だったぞ豚共!・・・ククク・・・フハハハハハ・・・・・ライラ!もう出て来ていいぞ!)


ライラは戻ってくると俯きながら呟いた。


(・・・・・主様・・・ちょっと怖い・・・・・)


(フッ・・・そうか、それじゃ俺を置いて一人でどこか行くか?お前がそうしたいなら俺は止めんぞ・・・・・ああ・・・心配するなお前は殺さん。いろいろ世話になったからな)


(そんな!ちょっと怖かっただけですから・・・・・主様が本当は優しいって解ってます!絶対に離れませんから!)


(まぁ好きにするといい。自分がどうしたいのか、どうなりたいのか良く考えるんだな・・・・・取り敢えずは・・・魚捕りだな、行けそうなら行って来い!)


ライラは「はい!行って来ます!」と言って木桶を抱えて走って行った。泉に入って行くライラを見ながら俺はステータスを確認した。


―――――――――――――――――――――――――

 ステータス(偽装中)

 名前:パンドラ LV4 HP 750/750

  属性:闇 耐久力:95

  スキル:闇属性耐性 闇属性攻撃 天地無用

   物理攻撃耐性 ステータス偽装 魔法攻撃耐性

   所持限界量増加 自動修復(小)

 眷属:コボルト♀〔名前:ライラ〕

―――――――――――――――――――――――――


(・・・・・今更だが上げ幅がでけぇよな・・・ライラと比べるのも何だが硬すぎだろ・・・まぁお陰で壊される心配はしてないが流石にどうかと思うぞ。転生特典のチートって奴か?・・・・・地味すぎんだろ・・・・・・・はぁ、LV5で手に入るスキルに期待するか・・・・・手に入る・・・よな・・・・・期待しない方がいいか・・・・・)


なんとなく嫌な気がしたが、気にしたら負けな気もしたので周囲の警戒をしつつライラを見守る事にした。

ここまで読んで頂き有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ