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03

あれから結構な数のゴブリンを狩った。あいつ等は俺を見ると少し警戒した後に棍棒で殴るか蹴飛ばしてくるだけだった。戴した攻撃力も無く、HPと耐久力の上がった俺の敵ではないのだが、いい加減移動したい所だ。


(あんの馬鹿共め!殴るんじゃなく持って帰るとかしろよ!)


苛々しつつも獲物を待っていると、何か白っぽい奴が部屋に駆け込んできた。


(なんだ!?え?犬?おぉコボルトって奴か!!)


そいつは真っ直ぐに俺に向かって来て、俺を持ち上げるとそのまま入り口に向かって放り投げた。


(おわああぁぁ!何しやがんだ!この犬っころが!!)


投げ飛ばされた先、入り口の方を見ると、丁度ゴブリンが五匹入って来る所だった。


(何だぁこいつ等から逃げてきたって事かよ。だからって許さねぇからな!)


俺はゴブリン達の手前に転がり落ちて横倒しになった為に蓋が開いた。


(ククク・・・なかなか良い位置だ!喰らえ!屑どもがあ!!)


俺は靄を出しゴブリン共を倒した後、起き上がるとステータスの確認をした。


―――――――――――――――――――――――――

 木箱(小)《LV19 HP 500/500 属性:闇

  耐久力:70

  スキル:闇属性耐性 闇属性攻撃 天地無用

      物理攻撃耐性 ステータス偽装

  アイテム:棍棒×27》

―――――――――――――――――――――――――

 木で出来た小箱、中に何が入っているかはお楽しみ。

―――――――――――――――――――――――――


(おっ、LV19になったか。LV20になりゃ又スキルも増えんだろ、それに期待するか・・・さて、俺様を投げやがったワン公はと・・・・・)


後ろを見るとコボルトは暫く俺を呆然と見ていたが、ゆっくり警戒しながら近寄ってきて臭いを嗅いだ後、抱き付き頬ずりをしてきた。


(なんだなんだ!?やめろ!別に助けた訳じゃねぇぞ!やめろっつってんだ!撫でんな!誉めてるつもりか!!)


コボルトは暫く撫でた後、俺を抱えて歩き出し部屋を出た。


(おおおぉぉ!!やった!ついにここから出られる!!さっき投げた事は許してやるぞ!ワン公!)


部屋を出るとそこは石の回廊と言った感じで、所々に部屋の様な広い場所は有るが扉が付いている部屋は無かった。


(予想はしてたがダンジョン・・・なんだろうなここ・・・・・)


コボルトに抱えられたまま石の回廊を暫く進むと、前からゴブリンが歩いて来た。


(よっしゃ!蓋を開けろワン公!って、おわああぁぁぁ!!)


俺はまたゴブリンに向かって投げられて転がり、蓋が開いたのでゴブリン達を倒した。


(くそっ!所詮は犬畜生か・・・いや意思の疎通が出来ないのが問題だな・・・って、良いから!撫でなくて良いから!お前は俺を運べば良いんだよ!!)


ゴブリンを倒した俺を一頻り撫でた後、コボルトは俺を抱えて歩き出した。暫く進んで行くと広場があり、泉とその周りに小屋の様な物が幾つか見えて来た。


(お?何だありゃ?こいつ等の集落かな?)


集落に近づくと小屋の中から俺を抱えているコボルトより一回り大きな数匹のコボルトが出て来て俺達を囲んでワンワンと何か言い合っていたが、暫くすると俺を抱えたコボルトがクゥ~ンと鳴き、項垂れて奥の小屋に入った。


小屋の中は意外と広かった。入り口付近に水の入った瓶と木の実や草の入った木箱が置いてあり、中央に薪とそれを取り囲む様に毛皮が敷いてあった。

コボルトは俺を奥に置いてある藁の傍に置くと、藁の上で毛皮を被り寝てしまった。


(ふむ、こいつは子供でさっきの連中は大人で怒られて不貞寝ってとこか・・・・・まぁ自力じゃ動けねぇし暫く厄介になるとするかな・・・・・)


俺はコボルトを何とか利用出来ないかと模索する事にした。

ここまで読んで頂き有り難う御座いました。

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