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01

目が覚めた時、そこは眠る前と変わらぬ石で出来た部屋だった。


(やっぱ夢じゃなかったのか・・・・・)


落ち込みつつも状況打開の為に何かしようと思うのだが、如何せん動けない。


(取り敢えず転生物の定番を色々試してみるしかないか・・・・・先ずは・・・『ステータスオープン!』・・・・・)






(何も起きねぇ・・・頭の中だとは言え結構恥ずかしいなこれ・・・・・いやいや気を取り直して次行こう次、『鑑定!』)


―――――――――――――――――――――――――

 木箱(小)LV1 HP20/20

  耐久力:5


―――――――――――――――――――――――――

 木で出来た小箱、中に何が入っているかはお楽しみ

―――――――――――――――――――――――――


(何じゃこりゃ?え?鑑定で見れたって事はアイテムだよな俺?なんでLVあんの?耐久力は良いとして何でHPあんだよ!説明文!楽しくねぇよ俺は!)


色々残念な結果に終わったが、進展はあったので取り敢えず次に進む事にした。


自分が箱である事が解ったので、説明文にもある中身を調べてみようと思う。


(くっ・・・むむむっ・・・ぐあああぁぁぁ!)


視線を自分の中に向ける事は出来なかったので、意識を内側?に集中してみる。






(くそっ!だめか~何も解かんねぇ・・・・・)


その後スキルとかは無いかといろいろ試してみたが全て無駄に終わった。






(暇だな・・・・・)


此処に来てどれ程の時間が経ったのか解らない。

なんとなく眠り、起きていても何も出来ずに呆けているだけの時間が過ぎて行った。


気が付けば俺は反対側の壁にある扉を見つめ、あそこから誰かが来て俺を運んでくれないかと、そればかりを考えていた。


(くそっ!誰か来てくれえぇ!俺をここから出してくれよ!!中身なら全部くれてやるから!!だから・・・だから頼むよ・・・誰か・・・誰か俺を助けてくれえええぇぇぇ!!)


あの扉の存在だけが俺の希望だった。何時かあの扉の向こうから誰かが俺を此処から連れ出してくれる事だけを願っていた。だがそれは訪れる事も無く唯時が過ぎ、希望と絶望を繰り返す薄暗い音の無い世界が次第に俺の心を蝕んで行った。


(ちくしょう!何で誰も来ないんだ!何で助けてくれない!?何で俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ!!)






(・・・そうだ・・・そもそも何で俺はこんな所に居るんだ・・・・・何で箱なんかになってんだ・・・・・誰が・・・何の為に・・・・・・・)






(・・・・・殺してやる・・・何処のどいつか知らねぇが必ず見つけ出して俺をこんな目に合わせた事を後悔させてやる・・・・・ククク・・・フハハハハ!!・・・・・ヒヒヒヒヒ・・・・・・・)


俺の中を暗い想念が埋め尽くしていく。


(ククク・・・動けないからって何だってんだ・・・箱に寿命があんのか知らねぇがHPが下がった事もねぇし・・・・・LVさえ上げられりゃ何とかなんだろ・・・ヒヒヒヒヒ・・・・・兎に角今は待つんだ・・・俺をこんな目に合わせた奴をぶち殺すその時の為に・・・・・・・・)


俺は復讐の為に唯只待ち続けた。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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