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森の中のリザードマンを全て倒し終わった俺達は、出入り口を封鎖している部隊を繁みに隠れて観察していた。


(ん~あいつら動く気が無いみたいだし、誘き出すしか無いか・・・・・奴らを操ってる奴が何者か知らんが・・・ライラ、森の境目辺りからあの目玉やれるか?)


(いけると思いますけど・・・・・良いんですか?見つかっちゃいますよ)


(ああ、敢えてお前の正体を晒す事で相手の油断を誘う。俺の存在はまだ隠して置きたいからお前を囮にする事に為っちまうのがなんだが・・・・・)


(・・・・・やります。主様のお役に立つなら何て事無いです)


(すまんな・・・・・じゃあ俺を境目ぎりぎりにある繁みに隠してお前は俺の中からナイフや手斧を奴らに投げて行け。勿論目玉を倒すのが最優先だ、トカゲ共が向かって来たらある程度引き付けてから俺の後ろに逃げるんだ)


ライラは「了解です」と言って森の境目にある茂みに俺を隠し、リザードマン達の前に立ちはだかった。


(やれ!ライラ!使わん武器なら山程ある!じゃんじゃんブン投げろ!)


突然姿を現したライラに驚いている隙にナイフや手斧を投げて次々と目玉を打ち落としていくライラ。リザードマン達が我に返って動き出す頃には目玉は全て打ち落とされていた。ライラは剣や槍なども投げて行き、何体かのリザードマンを倒した後、俺の後ろへと逃げて行くと少し離れた所で振り返った。


(よーし!俺様の出番だ!ライラはそのまま靄から逃れた奴の対処を頼む!)


俺は森の中に入ってきた奴を次々と取り込み、逃れた数体はライラが斬り倒していった。リザードマン達を指揮していた赤いリザードマンと三匹のリザードマンが動かずに残っていたので俺を背負ったライラが相対した。


(主様、赤いのは私が倒したいんですけど良いですか?)


(おお、何だライラ随分とやる気じゃねぇか。大物食いとか狙ってんのか?)


(・・・大物食い・・・・・はい、あいつ大きくて美味そうですよね)


(・・・お前ブレねぇなぁ・・・・・まぁ残りは好きにしていいぞ)


俺がそう言うとライラは駆け出し、リザードマン達の間を擦り抜けながら手や足の間接部分と言った鱗の少ない部分を的確に斬り飛ばして行き、赤い奴に到っては顎下から綺麗に頭を斬り飛ばした。


(お前・・・食べる事前提で綺麗に解体したんだろ・・・・・)


(どうせなら美味しく食べたいですから・・・えへへ・・・・・)


俺達は周囲に散らばった武器や目玉、倒したリザードマンを回収し、森の木に赤と緑のリザードマンを一匹ずつ吊るして血抜きをした後、ライラが丁寧に解体した。

その後入り口付近で休む事にして、焚き火を焚いてリザードマンの肉を食べ比べしようとしたライラを止めてある物を渡した。


(・・・ライラ・・・こっちを先に食べてみないか・・・・・)


(ぬ、主様・・・これ取っといたんですか・・・・・)


そう、目玉である。ライラは意を決した様に目玉の羽を毟りナイフに刺して火で炙った。暫くするとぷつぷつと気泡が出てきてパチンと弾けて中身が液状化して流れてしまった。


(・・・主様ぁ・・・何だかちょっと切ない感じですね・・・・・)


(・・・・・ああ・・・取り合えず鍋に入れて火に掛けてみるか)


石を組んで即席の竈を作り、鍋に目玉を入れて火に掛けて暫く待つと、弾けて中身が出てきたので外側を捨てて暫く煮てみた。


(・・・・・わぁ・・・なんだか良い匂いがして来ました・・・・・)


ふつふつと湧いてきた所で鍋を火から下ろし、木のカップによそって飲ませてみた。


(ど、どうだ?食えそうか・・・無理すんなよ・・・・・)


(・・・・・・・主様!これ凄く美味しいですよ!とろっとしてて少し甘くてお腹の中が凄く暖まる感じで!これまだ有りますか!!)


(お、おう・・・倒した奴なら全部取っといたぞ・・・・・)


(よかった~これは数が少ないからお祝いの時用に取っときましょう!)


そう言ってライラは目玉スープを少し飲んだ後、リザードマンの肉を食べ比べ始めた。


(ん~確かに鶏肉っぽいですね~・・・体よりも尻尾の方が美味しいです。緑のより赤い方が歯ごたえと甘みが強い感じです)


(ライラ、目玉スープに野草と肉を入れて塩と胡椒で味付けしてみないか?更に美味くなると思うんだが)


(ッ!!それは思い付きませんでした!流石主様です!!)


ライラは嬉々として調理を始めた。リザードマンの肉を一口大に切り、軽く火で炙り鍋に入れ少し煮た後、野草と茸を刻んだ物を入れて塩胡椒で味を調えて暫く煮込んだ。


(あ~おいし~・・・しあわせ~・・・・・お肉が凄く柔らかくなって色んな味が染み込んでて・・・暖かくて・・・・・主様も一緒に食べられたら良かったのに・・・・・残念ですね・・・きっと一緒に食べたらもっと美味しいのに・・・・・)


残念なのはお前の食欲だと思いながらも、最後に可愛い事を言ってくれたので良しとした。

ここまで読んで頂き有り難う御座いました。

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