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転生木箱の後日談38

俺達が新大陸に移住してから二年の歳月が流れた。

その間に旧大陸のスラムや孤児院から新大陸へ連れて来た者も居るが、特に問題は起こっていない。

旧大陸の方で大きな出来事と言えば、あの放送から一月後に同盟国会議が行われ、ベルトラン王国以外で同盟を組み直し、ベルトラン王国には一切干渉しない事が決まった。

ドラグーン王国はベルトラン王国以外と国土が繋がっていないが、ヴァイスが長年研究していた転移陣の解析が終わり、一度に多人数を運べない等の制御が出切る様になった為、同盟国に設置して交易等に生かしている。


これによりベルトラン王国は完全に陸の孤島になったと言う訳だ。


これはケイオスに聞いた事なのだが、ウェンビーの領地と王都ベルトラの王城で働いていた魔族が追い出されてドラグーン王国に帰って来た事がケイオスの耳に入り、条約違反だとライオネルに問い詰めた事が切欠で同盟解消となったらしい。あいつマジで馬鹿だな。ビブリエ旧教派にでも毒されてんのかね?


そんな訳でベルトラン王国以外は新旧両大陸共に安定していて、暫くは俺の出番はなさそうだ。






「お~い!お前等ぁ、そろそろ終わりにして着がえてこ~い!」


「え!?もうそんな時間?兄様急ぐの!」


「くそっ!二人係で掠りもしねぇとは・・・・・フォルマ姐さん、またお願いします!」


「ははははは・・・あたいに一撃入れようなんて千年早いぜ。おっと、あたいも支度しなきゃな」


今日は二人の成人祝いを俺の家でやる事になっている。

料理にカメラにプレゼントも用意したし、農業区からアレス親子に警備員をやっている白井親子。行政区と商業区からはハンス商会の面々に玄田とヴォルドにジェシカ親子も呼んだ。


「ヘリオス、セレネ、成人おめでとう。先ずはヘリオスにはこれをやる」


「やった!!ありがとう御座います!僕、これを着るに相応しい男になってみせますから!!」


ヘリオスにはずっと俺のトレードマークだった闇のハーフコートに闇のズボン、闇のハンマーグローブと闇のハンマーシューズを贈った。


「ははは・・・大げさな奴だな。そんでセレネにはこれだ」


セレネには闇のローブに闇のとんがり帽子と髑髏を象った水晶の填まった杖を渡した。魔導師三点セットだ。


「・・・・・・あの~・・・年頃の女性に送る物としては如何かと思うの・・・・・特に杖は」


「あれ?その杖って何処かで見た気が・・・・・」


「む・・・確かに見た事が有りますな・・・・・おお!試験場に居た骸骨の親玉が持っていた奴ではありませんか?」


「おう、良く覚えてたなお前等。冥府の王を名乗ってたリッチが持ってた奴だ。まぁ俺には必要ないからずっと収納に死蔵してたんだが・・・セレネ、今日から魔導師を名乗って良いぞ。免許皆伝の証だ大事にしろよ」


「あ・・・・・はいなの!!」


こいつ等も近い内に結婚して子を成すのだろうな。その頃にジェームスは生きているだろうか。

ハンスやホレスは・・・マークスは何時だろうか。その時が来た時にはまたライラに助けられるのだろうな。

では、ライラの時には・・・・・多分セレネやヘリオス・・・そして、その先には彼等の子供に助けられるのだろう。


そして何時かはそれに慣れてしまうのだ。


だから俺はその日が来るまで彼等を助け、命を繋いで貰わなくてはいけない。同じ精神生命体であるディアナやミネルバではダメだと気が付いたのだ。


俺が神や悪魔では無く〝人〟で在り続ける為には。











「はい、これが今日中に決済して貰わなければいけない分で、こちらが今週中です」


「・・・・・なぁ、ハンス・・・お前が全部やってくれよ。どうせ判子を押すだけなんだからさ・・・そうだ!自動で判子を押す機械を作ろう!それで良いだろ?」


「馬鹿な事言ってないで早くして下さい。それに、ちゃんと目を通して貰わないと困ります。出来る限り私とホレスで確認して、後はパンドラさんにしか出来ない所まではやって有るんですから、文句言わないで下さい」


「そうですよ。私とハンスは引退したと言うのに手伝っているんですから、自分で始めた事位は責任持ってやって下さい。食事も睡眠も必要無いんですから明日の朝までには出来るでしょう?」


「くっ!こんな事なら調子に乗って遊園地とかプールやスキー場なんて作るんじゃなかった!!」


机に積み上げられた書類を眺めながら、僅かに残っている日本人だった頃の記憶を思い出していた。


そう言や連日の残業で帰るのは終電が多かった気がする。


はぁ・・・魔導列車で居眠りしたら、もう一度転生しねぇかなぁ―――




おしまい。

最後まで読んで頂き有難う御座います。


こうして完結まで扱ぎ付けたのは読者の方々、特にブックマークや評価に感想を書いて下さった方々のお陰だと思っております。


初投稿作品と言う事もあり、思い入れのある本作品を最後まで読んで頂き本当に有難う御座いました。

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