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外伝 光と闇の双星9

父上に連れられて来たのはハンスの村だった。ベルトラン王国に在りながら高いかべにおおわれていて外界としゃだんされた農村。話には聞いた事があるけど来るのは初めてだ。


「お、いたいた。相変わらずやってるなぁ・・・・・白井さ~ん!!」


「おらぁ!走れ走れ!!止まるんじゃねぇぞ!!・・・おおっ!?ケントじゃねぇか!久しぶりだなぁ、おい」


何だここ・・・農村なのに百人近くの兵士がいて、その中に黒目黒髪の人が十人は居るし、何で皆丸太を抱えて走ってるんだ?!


父上が声を掛けた白井さんと言う人はここのしゅびたいの隊長さんで、父上は僕をここにあずけるのだと言う。


「ヘリオス・ガーランドです。よろしくおねがいします」


「へぇ、お前とライラさんの子供か。俺は構わねぇけど、他の連中と区別は出来ねぇし、手加減もしねぇぞ。良いのかそれで?」


あれ?父上は呼び捨てなのに母上にはさん付けって何でだろう。それにこの国で父上にこんな言葉使いで話す人なんて見た事無いぞ。


「ええ、私の時みたいに遠慮なくやって下さい。少しでも逃げるような素振りを見せたら、送り返してくれて構いません」


え!?何それ、たしかに最短で何が何でもって言ってたけど、僕もあれやるって事?!追いつく前にこわれちゃうんじゃ・・・・・


「まぁまだガキだし、最低限は考慮してやるよ。おーい!拳也ぁ!ちょっとこっち来いや!!」


「あ、ケントさんこんにちは。で、何だよ親父、何の用だよ」


「拳也、お前にこいつを預けるから基礎から教えてやれ。お前もそろそろ人に教える事を覚えた方が良いしな」


「えぇ~・・・めんどくせぇし、自分の事で手一杯なんだけど・・・・・」


「まぁそう言うなって。俺も人に教える事で学んだ事が沢山有るんだからよ。これで良いかケント」


「ええ、有難う御座います。それと玄田さんは居ます?彼にもお願いしたい事が有りまして」


「奴なら自分の家に居るぜ。引退してから物書きの真似事なんかしてやがんだよ。根は俺等と同じ脳筋の癖しやがってよ。がはははは!」


この人自分でのうきんとか言っちゃったけど本当に大丈夫なの?!


この後玄田さんにしょうかいされて、僕はこの日から三年もの間、昼は白井さん親子に付いてくんれん。夜は玄田さんに歴史を中心に勉強を教わる事になったんだ。一度も家に帰る事無く。






「それで、その・・・あたしにまほうを教えて下さい!おねがいします!」


「そりゃぁ構わないけどよ・・・・・大変だぞ~。ケントなんか『何ですそれ?!』とか『如何してそうなるんだ~!!』なんて頭を抱えてたしな。まぁお前の場合は俺の渡した水晶を使ってた分基礎は出来てるから、他の勉強の方が大変だけど」


まほうを教えてほしくてパンドラさんにたのんでみたけど、何だかまほう以外の勉強が有るみたいなの。


「そもそも俺が使っているのは魔術でも魔法でも錬金術でもなくて『魔導』だ。この世界で言う魔術や魔法、錬金術とは根本から違う。さて、そこで問題だ『本来魔法とは如何言った物なのか?』だが、解るか?」


パンドラさんによると、まほうとはまりょくをしょうひしてあらゆるげんしょうを起こす事で、さらにつきつめた物がまどうなんだって。

そのげんしょうを起こすのに一番大切で大変なのがそのげんしょうを正しく思いえがく事だそうで、そのための勉強をしなくちゃいけないって言われたの。


その日からあたしは水晶玉でおぼえた事以外に、科学なんて聞いた事の無い学問を勉強する事になったの。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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