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外伝 光と闇の双星8

僕は鞄に着替えを詰めて父上の待つ執務室へと足を踏み入れた。


「お待たせしました、父上」


「さて、何から話そうか・・・・・先ずはこの国の歴史・・・いや、この世界の成り立ちからかな。まぁ座りなさい。少し長い話になる」


「その・・・お仕事の方は良いのですか?遅れてしまうのでは?」


「ああ、問題ないよ。私の仕事は指令を受けるまでは基本自由なんだ。今はライオネル様と距離を取って、アスタル様からの最後の指令を遂行中なのさ。ああ、この事は内緒だよ」


父上は何だかわるだくみをしているような笑みを見せて話しを始めたけど、その内容はとても信じられるようなものじゃなかったんだ。

この世界がそうぞう神を名乗る元れんきんじゅつしが作ったしけんじょうだったなんて、しかもその目的が父上だったなんて信じられなかった。


「そして彼は創造神を封印して世界を救ったのさ。まぁ彼自身は木箱にされた復讐をしただけで世界を救ったなんて思ってないみたいだけどね。でも、結果的に世界は救われたし、少なくとも私は様々な事から救われたよ。もっと詳しく知りたかったらこれから行く先で聞くと良い。そこに私より詳しい人が居るから」


「それじゃぁ行こうか」と立ち上がった父上のてんいで連れて行かれたのは、とてつもなく広大な農村だった。






ソファーから立ち上がった彼の眼を真っ直ぐに見つめて、あたしは挨拶をしたの。


「あ、あのっ!セレネ・ガーランドです!今までさけていてごめんなさい!それで、その・・・えっと・・・・・」


話したい事がたくさん有ったはずなのに、さっき見せた彼の表情が私の求めていた答えだった事がわかって何も聞けなくなったの。

ジェシカ様が言っていた通りだって、彼はすごい力を持っているだけのふつうの人なんだってわかったから。


「ははは・・・如何したんだ?それにしても良く一人で来れたな。怖くなかったか?ここじゃなんだし移動しようか。ディアナ、ミネルバ、お茶の用意してくれ」


その後はリビングでたあいも無いお話をしたの。お父様やお母様の子供のころの事やお祖父様やお祖母様の事も聞いたわ。お母様が食いしん坊だったなんて知らなかったの!

そして夕方になりお家に帰る時に「明日も来て良いですか?」って聞いたら。


「勿論さ。お前達はライラの子供だ。俺にとっては孫みたいなもんなんだから、何時でも遠慮無く来ると良いぞ」


そう言ってやさしくほほえんでおみやげにたくさんお菓子をくれたの。本当にお祖父様みたいだったの。


お家に帰ると兄様とお父様は居なかったの。どこに行ったのかは聞かなかったけど、兄様はきっとがんばっているの。


夕食に出た目玉スープを見てパンドラさんのお話を思い出したの。


「このスープってお母様が見つけたんですってね!パンドラさんがあのころのお母様は何でも食べようとしてたって聞いたの!」


「もう・・・そんな事まで話したのね。何でもじゃないわよ、マンティコアは気持ち悪くて食べたくなかったもの」


ちょっとすねた感じで答えたお母様は何だかうれしそうだったの。きっとお母様にとって大切な思い出なの。

パンドラさんと出会って二人でてきをたおしながら進んで、とちゅうから一人ふえて三人で進みつづけて、また一人ふえて四人になったって聞いたの。

だれか一人でも欠けていたら、今の平和な世界は無かったって言ってたの。


お母様は自分達が居なくてもパンドラさんなら一人でも何とかしたって言うけど、あたしはそんな事は無いって思うの。


だって、あたしは一人で出来る事は少ないって知ったのだから―――

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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