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外伝 光と闇の双星6

今日はお城でのちょういん式に出る父上と母上に連れられて僕とセレネも行く事になった。僕はくんれんが有るから行きたくなかったけど、お祖父様とお祖母様も行くのだからと言われて逃げられなかった。


「お父様、お母様、パンドラさんに会える?もともとはあの人がきっかけなんでしょ?」


「ん~・・・多分来ないんじゃないかなぁ・・・・・あの人はこう言う催しには顔を出さないんだよ。直接自分が係わっていない限りはね」


「そうなの・・・・・お話してみたかったのに・・・・・」


何言ってるんだこいつ。あれがいたら大変な事になるじゃないか。


「お、良い事聞いたぞ。セレネがその気なら会いに行くと良いよ。お前達が怖がるからライラも会いに行くのを遠慮しているしね。何より魔法を教えて貰うなら僕より彼の方が良いしね」


「ぅ・・・まだあそこに行くのはむりなの・・・・・」


「そうか・・・まぁ行きたくなったら何時でも言うんだよ。私かライラが連れて行ってあげるからね」


ちょういん式がおわって帰れるかと思ったけど、その後の立食会にも行かされたんだ。ガーランド家の者として、あととりとしてたくさんの人にあいさつしたりされたりしてその日はおわってしまった。


こんな事に何のいみが有るんだろう。セレネは楽しそうに話をしていたけど、僕はただ帰りたくてりょうりをつまみながら時間がすぎるのをまっていた。




たくさんの人とあいさつをしてたくさんお話をしたの。みんなに同じ事を聞いたけど、答えはそれぞれ少しずつちがっていたの。人の数だけ答えは有って、答えの数だけその人それぞれのしんじつが有るの。だからあたしも自分だけのしんじつをさがさないといけないの。


そのためには彼に近づけるようにならないとなの。


走ってこねて走って伸ばしてまた走ってまるめて走ったの。

走りながらまりょくをうごかして小石を回したり飛ばしたり、思いつく事は何でもためしているうちにあたしは十歳になっていたの。




「お父様、お母様、パンドラ様に会いに行っても良いですか?」


朝食の席であたしはお願いしたの。兄様は目を見開いてフォークをくわえたまま固まってたの。


「勿論構わないさ。ライラ、付いて行ってあげると良い」


「違うの。今日はあたし一人で行かなきゃダメなの」


「そう・・・解ったわ。朝食が終ったら私の部屋へいらっしゃい」


あたしが「はい」と返事をしたら兄様が突然立ち上がって大声を上げたの。


「馬鹿!何考えてるんだお前は!〝あれ〟に会いに行くなんて何が有るかわからないんだぞ!止めるんだ!!」


「兄様は変わらないの。ずっとそうやって目を背けて彼からも自分からも逃げていたら良いの。あたしは先に進むって決めたの」


「僕は逃げてなんか無いぞ!ちゃんと毎日くんれんだってしてるじゃないか!」


「逃げてるの。水晶玉からもお父様やお母様の言い付けからも逃げて自分勝手な事ばかりしてるの。今だに彼を〝あれ〟って呼んで目を背けているの。あたしは彼とも自分とも向き合うために会いに行くの。だからじゃましないで」


「なっ!・・・ふ、ふざけるなあああぁぁぁ!!」


兄様が怒って飛びかかってきたの。でも、あたしにはそれがひどくおそく見えてかんたんに交わせたの。すれちがう時に背中をかるく押したら兄様はころんでしまったの。


「・・・・・兄様、今からでもおそくないの。だから・・・先に行って待ってるの」


うつむいて床に座っている兄様をおいて一人でお部屋に戻ったの。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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