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外伝 光と闇の双星3

走って走ってたおれるように休んでまた走る。

ときどき歩く事もあるけど、止まることなく前にすすむ。

すすみつづけたその先にはいったい何が有るんだろう―――


こねてこねてまるめてのばして広げてまたこねる。

右手から左手に、左手から右手におくりだして体のすみまで行きわたらせてまたまるめた。

もっと何か出来るはずだとこねつづけたの。その先に何かあるとしんじて―――





くんれんを始めて二年がたって僕たちは五さいになった。

あいかわらず走ってばかりだけど、もんばんのトールさんとリックさんの二人と組み手をするようになった。


いつになったら剣を持たせてくれるのだろう。いまだにくんれん用の木剣ですら持たせてくれないんだ。


「唯闇雲に身体を動かしている内は武器なんて持たせられないですね。武器ってのは自分の手足の延長なんですよ。だから自分の身体を思い通りに動かせるようになるまではダメです」


「そうそう。それに坊ちゃんはまだまだ身体が小さい。だから今は身体作りが第一で武器を扱うのはそれが終ってからですよ」


母上にも同じ事を言われたけど、ずっと同じ事ばかりであきちゃったよ。

僕はためいきを付いてやしきへとふり向くと、母上とおばあ様が少しはなれたところでお茶を飲んでいた。あれ?セレネはどこだ?




花だんのふちにすわって、ひろった石をまりょくでうごかして見たの。


ひとーつ、ふたーつ、みっつ、よっつ、一つずつふやした石を広げたりょう手の上でくるくる回してあそんでいたら兄様がやってきたの。兄様はあきっぽくて一つの事を長い事つづけられないの。トールさんとリックさんがおしえてくれていたのにとちゅうでこっちに来たらダメなの。


「・・・・・なにそれ・・・おまえいつの間にそんな事できるようになったんだよ・・・・・父上だな・・・ずるいぞ!お前ばかり色んな事おそわって!」


「お父様にはすいしょう玉でおぼえた事をつづけるのと、兄様といっしょに走るようにしか言われてないの。兄様はすいしょう玉で遊ぶのが下手だから出来ないだけなの」


兄様と口げんかをしていたらお母様におこられたの。兄様はあたしがずるいからあたしが悪いって言うの。兄様はトールさんとリックさんに教わってる分あたしより色んな事やってるから、ずるいのも悪いのも兄様なの!


その日の夜にお父様に何もおそわっていないって兄様に言ってもらったの。これで悪いのは自分だってわかってもらえたはずなの。


つぎの日からあたしも兄様といっしょにぶじゅつを教えてもらう事になったの。体をきたえた方がまほうを使うのにべんりなんだって。

でも、あたしはまほうであそんでいる方が好きだからわからないようにまほうを使っていたら。リックさんに見付かってしまったの。


「へぇ・・・お嬢様はもう身体強化が使えるんですね。でも、それは余り使わない方が良いですよ。身体が出来上がる前に使い過ぎると身体を壊してしまいますからね」


え~何それ、これってあぶない事だったの?これからはあまり使わないようにするの。


「・・・・・なぁ・・・それもすいしょう玉であそんでたら出来るようになるのか?」


「そうなの。すいしょう玉で出来る事ぜんぶおぼえたら色んな事が出来るようになるの」


その日から兄様のすいしょう玉であそぶ時間がふえてずるいって言われなくなったの。


夕食の後にリビングに行ったらお父様がご本をよんでいたの。


「お父様、そのご本はおもしろいですか?」


「ん~・・・私には面白いけどセレネ達にはまだ早いかな。これは事実を基に書かれた物語で『偽りの光と真実の闇』と言って妹が書いた物なんだ」


「お父様の妹様・・・あ、ジェシカ様ですね!」


「そうそう、良く覚えていたね。近い内に仕事で一緒に出掛ける事になっているんだが・・・・・セレネ達も来るかい?ライラも行く事になるし、遠い所だから暫く帰って来れないかもしれないんだ・・・まぁ転移を使えば良い事なんだが仕事の都合上、他の方達から離れる訳にも行かなくってね」


お父様のお仕事であたしたちはかぞくでとおい西の国に行く事になったの

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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