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転生木箱の後日談31

残念竜フォルマによってケイオスの幼少期が暴露された。

これによって解った事は、ケイオスの魂にフォルマ=恐怖と言う構図が刻まれていると言う事だ。

二百年以上会う事も無く過ごし、忘れていた筈の記憶が蘇る事になったケイオスには同情を禁じ得ない。合掌(チーン!)


さて、そんな彼女の話を聞いていくにつれ、彼女が唯の脳筋では無い事が判明した。


幼い頃はフェルニに憧れ、竜人族の風習として鍛えていたが、偶々才能が有っただけで特に厳しい訓練はしていないとの事。

それ故に彼女以下の訓練しかしないし、出来ない癖に弱く口だけの奴が嫌いなのだそうだ。そして厳しい訓練をしても強くなれないなら仕方ないとも言う。


「ケイオスの野郎はフェルニの息子だって事を振りかざす様な所が有ってさ、あたいからも訓練からも逃げ出してた癖に・・・あんなんでも可愛がってたフェルニの叔父貴が浮かばれないよ・・・・・」


「まぁそう言うなよ。多少は時間が掛かったけど魔王を倒したし。戦いに横槍を入れてきた奴にも落とし前付けさせようと足取を追ってたんだぜ」


奴の使っていた試験場を調べたり人族の情報も仕入れていたしな。ってなんで俺がケイオスの事庇ってんだ?


「まぁ、あんたが言うなら許してやっても良いんだけどさ・・・・・久しぶりに会ったのにあれはねぇだろ?」


いや、それは過去のお前が悪いと思うぞ。言わんけど。


「兎に角、もう竜人族はあたい等しか居ないけど、あいつだけは〝無い〟から他の人紹介してよ。人族でも強く無くても良いからさ」


「それだったら自分であちこち回って探したら良いだろ。つーか、何でそこまで相手欲しがるんだよ。嫌で切れて暴れたんだろ?ああ、口だけ野郎は嫌だからか?」


「も~鈍いわね!・・・・・振られた相手の傍に居るだけなんて辛いじゃない・・・それ位察しなさいよ!」


何こいつ意外と可愛い所有るじゃん。しかし俺の知り合いで独身か・・・居ない事は無いんだが・・・・・


「あ~悪かったよ。それでどんな奴が好みなんだ?見た目とか性格とか・・・あ、年齢的には年下しか居ないぞ、それでも良いのか?」


「ん~どうせならあたいと似た所が有る方が良いわ。あたいは武術が好きだから一緒に稽古出来る奴が良かったんだけど、無理そうだし諦めるとして・・・・・何か一つの事に打ち込んでる人が良いかな。付き抜けちゃってる人だったら結婚とか抜きにしてもあたいと話が合うと思うんだ」


突き抜けちゃってる人ねぇ・・・・・白井とアレスは結婚してるし・・・・・あ。


「居るぞ。人族でちょっと年いってるけど、独身の男二人組みだ。但し弱いぞ。一般人よりはちょっと強い位だがそれでも良いか?」


「ほんと!?だったら紹介して!別に強く無くても良いわ。あたいが護れば良いんだし、仲良くなれたら他の人紹介して貰えるかもしれないしね」


ああ、こいつに護られるとか無敵過ぎんだろ。まぁ丁度良いか、あいつ等大陸中に敵が居るからな。と、言う訳でフォルマをベルトラン王国に連れて行った。


「お~い!お前等の護衛を連れて来たぞ~。同時に旦那も募集してるから気に入ったら結婚も出来るぞ」


「・・・・・相変わらず行き成りですねぇ・・・そちらのお嬢さんが護衛ですか?ん?・・・・・あ、あの・・・ひょっとして竜人族の方・・・でしょうか?」


「ああ、始めまして。あたいは竜人族のフォルマだ。お嬢さんなんて言われたのは子供の頃以来だぜ」


「りゅ、竜人族って・・・何処から連れて来たんですか!?ケイオス陛下の許可とか要るんじゃないんですか!?あんたは何で何時も面倒事を持ち込むんです!あ~・・・もう如何したら・・・・・」


まぁハンス商会な訳だが、ハンスは意外と落ち着いて・・・と言うか慣れだな。ホレスは毎度の事なのに頭を抱えている・・・まぁ何時も通りだな問題無い。


「心配すんな、面倒事じゃないぞ。むしろこいつを雇う事で面倒な事が幾つか減るし、利益にもなる」


「ほう・・・それは話を聞かない訳には行きませんね。ああ、失礼しましたお嬢さん。私は当商会の会頭をしておりますハンスと申します。こちらは副会頭のホレス。この出会いに感謝を」


何だ?フォルマがハンスを見つめて・・・いや、見定めてんのか?


「まぁ簡単に説明するとだな、お前等最近大陸中に名前が知れ渡って、同時に敵も増えたろ?それで優秀な護衛を連れて来たって訳だ。現状この世界で俺の次に強いから暗殺者が百人来ても完璧に護ってくれるぞ。それで結婚相手も探してて、お前達と一緒に行動してたら大陸中を回る事になるしで、一石二鳥と言う訳だ」


「あたいはハンスの事気に入ったからハンスでも良いぞ。そっちのホレスは頭固そうだからダメだけど」


「おや、最早伝説とまで言われている竜人族のお嬢さんに気に入って頂けるとは嬉しい限りですね。ですが私ももう歳ですし、お似合いの相手を探す力になりましょう」


「いやぁ益々気に入ったよ。それじゃあんた達の警護をするからその代わりに飯は食わせてくれよ」


そんなこんなで最強の護衛を手に入れたハンス商会は益々発展して行くのであった。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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