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転生木箱の後日談30

フォルマが家に来て数日が経った。

彼女はディアナとミネルバとも仲良くやっているし、アスタル夫妻やジェラルドにアレス夫妻や村人達とも問題なくやっているのだが、常に俺が見えると言うか、俺の近くから離れようとしないのだ。それこそ可能な限り隣に居ようとする。流石に風呂の中に入って来た時は家から追い出そうとしたが、マジ泣きで謝ったし、その一度だけなので許している。


「おい、別に悪い事しなけりゃ好きにしてて良いんだぞ。常に俺の傍に居たら監視されているみたいで息苦しいだろ?」


「え・・・・・あたいの事そう言う風に見ていたのか?最初に言ったじゃないか傍に置いてくれって・・・・・だからあたいに手を出さなかったのか・・・・・好きにして良いって言ったのに・・・・・」


彼女的には俺と結婚するつもりと言うか、したつもりだったらしい。いや、俺はそんな事一言も言ってないんだけど。


「あのなぁ、俺は魔力の塊だって言ったろ?不老不死で生殖機能もないし、結婚するつもりも必要も無いんだよ。お前の事は『保護』するとも言っただろ」


「えええぇぇ!!初めてあたいより強い男見つけたのに・・・・・何てこった・・・・・・何だよもぉ~!・・・初恋が実らないってほんとだったんだねぇ。うん」


落ち込んだのは一瞬で直ぐに持ち直した。メンタルもつえぇなこいつ。


諦めるから強い男紹介してくれと軽く言われたが、お前より強い男なんて居ねぇよ!ケントですら足元に及ばないっての。

と言う訳で、ケイオスに稽古付けて強くしたら如何だと言ったら面白い情報が出て来た。


「あたいの扱きに絶えかねて逃げ出した元婚約者なんて冗談じゃないよ」だと。


何でもケイオスが生まれた時に決まったそうなんだが、当時のフォルマ的には尊敬し憧れていたフェルニの息子と言う事もあって喜んだんだそうだ。因みにフォルマの父は当時の族長だったがフォルマが五百歳位の時に亡くなったそうだ。

で、一般的に竜人族が稽古を始める頃になって(人間で言うと五歳位の体格だそうだ)フォルマが指導をした訳だが、まぁフォルマの才能と歳の差約三百歳はでかかったと。

フェルニは当時、次期族長の候補でその息子に相応しい強さをケイオスに求めた結果がこれだ。


「稽古を付けりゃぁピーピー泣いて母親の陰に隠れるわ。挙句の果てにあたいからも稽古からも逃げ回る様になりやがってさぁ」


それでも婚約破棄はせずに暫くは距離を置いて大きくなるのを待っていたんだそうだ。

で、大きくなって村の若い衆達との稽古中に襲撃をかけて全員ボコボコにしたと言う。こいつ馬鹿だろ。


「はぁ・・・なんてーの。もう、心底がっかりしたね。ケイオスも他の連中も普段は偉そうな口利いてる癖に、あたいの事見ると逃げる様になりやがってさぁ」


はぁ・・・なんてーの。残念過ぎだろお前。何でそこで襲撃するんだよ。普通に稽古に混ぜて貰うだけで良かったじゃん。ほんとタニア以来の残念っぷりだよ。


「どいつもこいつも女が政や戦に口を挟むなとか言ってさ、それで村の外れで一人暮らし始めて暫くしたら、戦に参加しろだと。ふざけんじゃねぇ!って追い返してやったよ。あたいん家が襲われたら戦ってやるってね!」


おいおい、村外れに住んでるのに、そこが襲われるって手遅れ所の騒ぎじゃねぇだろ。既に全滅してんじゃねぇか。まぁこいつが全滅させたんだが。


「まぁ、叔父貴達が出て行ったって聞かされた時は、流石フェルニ様!あたいにも声を掛けて欲しかった!って思ったけどさ」


戦いたいのか、戦いたくないのか、どっちだよ!

この後延々フェルニのカッコ良さを聞かされたのはキツかった。どんだけフェルニ好きだよこいつ。


突っ込み所の多い残念竜フォルマだった。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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